小さな恋のお話ver.0.01 (ページ1)

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花吐き病パロ【zm】ページ1

「はぁぁぁ…アイツ等許さん…」
今日も遅くなってもた…。俺は早く帰らなダメや言うたのに…。
アイツ等今度食害したろ。
玄関のドアを開けると、葡萄の花がリビングまで点々と落ちていた。
綺麗な花だ。俺が遅くなるといつもこう。
一つ一つ花を拾い上げながらリビングへと進んで行く。
「…ただいま」
泣いてたんやろなぁ…。目元が少し濡れている。
そして、Aの周りには葡萄の花が沢山ある。
また今日も誰かを想って吐いたんやろな。
一体誰がAにこんな辛い想いをさせとんのやろか。
今すぐにでもソイツを殺してAを俺のものにしてしまいたい。
拾い上げた花を一つ、口に運ぶ。
「んま…」
ほんまにAはソイツが好きなんやなぁ…。
頬を温かいものが伝っていく。
「俺はAが好きやのに、Aは他のやつが好きなんてなぁ…」
『…それ、ほんと？』
「え…？」
『ゾムが私の事好きってほんと？』
いつから起きてたんやろか。
「ほんまやよ、俺嘘つかんもん」
『わ、たしも』
「ん？」
『私もゾムが好き、です』
いつもの様な辛そうな笑みやなくて、今まで見た中で一番綺麗な笑顔やった。
そんなAが愛おしくて、ぎゅ、と抱き締める。
Aが軽く咳をすれば銀の百合の花弁がはらはらと床に落ちていった。

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葡萄の花の花言葉

好意、信頼、陶酔、思いやり、親切