Story 143 ページ38
空はまだ薄暗くて、少し不気味な時間
きっと朝イチでマネヒョンが家に駆けつけてくるだろうから
僕が起きない時間に家を出た
幾ら暑い日が続いていても、日が当たらなければやっぱり寒い
パーカー一枚で出てきたのは間違いだった
でもどうせ、そのうち暖かくなるわけだし寒くて死んじゃうことはないだろうし
そう考えても寒いものは寒い
口から白い息が出てきて余計に寒いのだと言っている
『…え、と』
バスはあるんだろうか
この時間だからタクシーは捕まらないだろうし
やっぱりマネヒョンに言って送って貰えばよかったな
思いつきとは怖いものだ
携帯を取り出そうとポケットを探るけど出てこなくて、ああベッドに置いてきたと気がつくのにそれほど時間はかからなかった
既に帰ろうと考えている頭とは反して足は動き続ける
この足はどこに向かっているんだろう
ビルに反射した光が道路に当たり始めて、空を見上げると何となく青がかってみえた
どれぐらい歩いたかな
まだ数分だろうか。それとも数時間
携帯がないんじゃ時間もわからないし
もしかしたら寒くて死ぬんじゃなくて、行方不明になって死ぬんじゃないのかな
それってすごい笑える
とりあえずで歩き続けて、ちょうどバス停が見えたから休憩しようと座れば僕と同方向に行くバスが来て何も考えずに乗り込んだ
ふと窓の外に目を移した時
何処か懐かしいような道を見つけて降車する
見覚えのある公園
黄色いベンチ
背の低い自販機
螺旋の滑り台
全てが懐かしく思えた
でもそれだけで何か足りない
「お兄さん、風邪ひきますよ？」
ベンチに腰掛けてただ公園を眺めていた
ボーッしていた脳が動き出して、その声に返事を返すまで時間がかかる
「寒いでしょ」
これどうぞと渡されたのは、パッケージこそ違うものの僕の好きなココア
ありがとうございますと返せば「お隣いいかしら」なんて言われて
断る理由もなかった
むしろ僕はこの人と一緒にいたいと思った
こんな僕にココアをくれたから
声をかけてくれたから
それ以前に
僕はこの人を知っていたから
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弟丸。(プロフ) - 更新再開とても嬉しいですまた最初から一気読みしてきましたかなたさんのペースで更新していただけると幸いです主人公くんと他グルメンバーとの絡みが大好きです (2020年11月28日 22時) (
レス) id: 6fd7fc297b (このIDを非表示/違反報告)
あす - とても素敵な作品です。MJさんとまた絡むかな？なんて期待もしながら読んでました。夢主さんが考えてることは、とても深くて興味深いです。自分に置き換えて読むと言うより、夢主さんをアイドルとして見ていて、気がついたら普通に推してます。ゆっくり長々すみません。 (2019年6月10日 23時) (レス) id: d45d13a6de (このIDを非表示/違反報告)
酢(プロフ) - この作品が大大大好きです！！更新楽しみにしています(*^^*) (2019年5月12日 12時) (レス) id: 55af053cbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かなた | 作成日時：2018年12月27日 23時
