アイドル失格 FileNo.4

Story 124 ページ18

『ガット…セブン？』


マネヒョンから知っていた方がいいと言われて、携帯に映し出された文字をただ黙々と読んでみる。

ジェ、ボム

まーく

じゃくすん？

ジニョン

よんじぇ

べ、べんべん

ユギョム…


名前が個性的すぎた


まーくって人だ

僕を連れていったのは


ミンチのごとく粉々にされるかと思っていればそうでもなくて

ただドーナツとかお菓子をもらっただけ

話もしなかった、、


MN｢お前はすぐどっか行くから…｣


首輪でもつけて繋げとくか？一言ぐらいかけろよな

大きな声がバンの中に響き渡る

うるさい


でもたぶん

お菓子をくれたからいい人だ


『…ドーナツ』


それは確かにうまかった



｢これ、美味しいよ｣





ｿﾞｸｿﾞｸ

まーくとか言うやつと目が合った時

僕は蛇に睨まれた蛙の気持ちでいた


この人は僕を食うつもりだ

このまま毒牙で突き刺されて丸呑みにされてしまうとまで思った


それを思い出すと…

ブルブルが身震いがする…


やっぱり悪い人だ



MN｢まぁ友達が増えるのはいい事だ｣


1人でベラベラ喋って

Twitterを更新しろ、インスタをあげろと口を開けばそればかり




適当にパシャリと撮った







………
@__________

【画像】

蛇には気をつけて






『はぁ…』




憂鬱だ

なんでこんなに変な人ばかりなんだろう


静かに暮らすなんてことはきっとこの先

僕が仕事を辞めない限りありえない


もう少し人口が減ればいいのに…





未だにブツブツと喋るマネヒョンの声と

窓越しから聞こえる音を遮るみたいに

イヤホンをさして、それらが何も聞こえなくなるまでボリュームをあげる



僕の好きな物だけで作られた世界だったら

どれだけ幸せで平和な世界かな



…

…流れる景色にふと目に止まった看板




【ふわふわドーナツ、召し上がれ】






…


結局ぼくは弱い

怖いと身震いしながら、たった一つのドーナツをくれた長身モデルに

またドーナツをくらるだろうかと期待している

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