Story 149 ページ44
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カタカタとキーボードを鳴らし、ここが家だと言えるほど編集室に篭りっきりになっていた僕に
マネヒョンは後輩ができたと言っていた。
僕は別に後輩ができようがなんとも思わないし、先輩ぶりたいわけでもない。
ただ、僕より少し遅くデビューしただけだ。
上下関係なんて僕にはなんのメリットもない。
ただこの国においての規則を中実に守っているだけだから。
「A、そろそろ挨拶に来るから。お前も来い」
『いや、僕は...うん。今行くいよ』
Aが素直に言うこと聞くなんて。とか馬鹿みたいにほざくマネヒョンを尻目に僕はマネヒョンの背中を追いかけた。
ーーーーーーーーーー
「A、怒るなよ。お前は興味がないと思ったんだ」
『...ッチ』
別に怒ってなんかいない。
ただ、ムカつく。
後輩に会う為に広い会議室に通されたのはいいけれど、そこには僕だけじゃなくて
適当に頭を下げて自分の席についたはいいものの、周りの声が嫌でも入ってくる。
勝手に聞いていれば、ひざ枕たちはシカゴでの公演で挨拶は済ませているとか、グループチャットを作ったとかで。
それが妙に気に障っただけだ
怒っているわけじゃない。
それなのにマネヒョンは僕の顔色を伺ってはあわあわとしてる。
『ヒョンがそうやって言うから僕が怒るんだろ』
そういった瞬間に今まで騒がしかったこの場所が静かになる
ムカつく
ただただ、自分の慣れないこの感情に苛立ちを覚える
ああ、作業したい。
有無を言わず今日は大人しくしていようと思ったけど僕にはやっぱり無理だ
周りと仲良しこよしなんてしなくたって別に困らないし、僕の経歴になんの影響も及ぼさないくせになんで挨拶なんかしなくちゃならないんだ。
右足がガタガタと揺れ始めると、そっと僕の太ももに大きな手が乗っかって
この僕に触るなんて、と気持ちも荒ぶっていた
手の方向を見やると神様がいた。
僕がこの世界に入って初めて出会った良心でできたお方。
その隣にいる宇宙人さんから僕を助けてくれた神様だ。
「ケンチャナ」
僕の目をただジッと見つめて、うんうんと頷いている。
気がついたら僕の足は大人しくなってて、僕の意味のわからない感情もどこかに隠れてしまった。
...ひざ枕が羨ましい
神様と毎日一緒に過ごせるなんて
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弟丸。(プロフ) - 更新再開とても嬉しいですまた最初から一気読みしてきましたかなたさんのペースで更新していただけると幸いです主人公くんと他グルメンバーとの絡みが大好きです (2020年11月28日 22時) (レス) id: 6fd7fc297b (このIDを非表示/違反報告)
あす - とても素敵な作品です。MJさんとまた絡むかな?なんて期待もしながら読んでました。夢主さんが考えてることは、とても深くて興味深いです。自分に置き換えて読むと言うより、夢主さんをアイドルとして見ていて、気がついたら普通に推してます。ゆっくり長々すみません。 (2019年6月10日 23時) (レス) id: d45d13a6de (このIDを非表示/違反報告)
酢(プロフ) - この作品が大大大好きです!!更新楽しみにしています(*^^*) (2019年5月12日 12時) (レス) id: 55af053cbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かなた | 作成日時:2018年12月27日 23時