Story 55 ページ26
番組の終盤。
いつも通り一番にステージを降りて帰るつもりだった。
「おめでとうございます！！！！！」
『ありがとうございます』
僕はこの番組で一位を取ってしまった。
右肩にのしかかる大きなガラスの塊
その冷たい熱が伝わって僕の頭は正常に動き出す。
『この賞が取れたのは、応援してくださった皆さんとこのステージを作りあげてくださったスタッフさんたちのおかげです。このような名誉ある賞をもらえてとても感謝しています』
『ありがとうございます』
つらつらと並べた言葉は自然と口から零れたものだった。
本心と面倒な気持ちが混合しながら立つステージは今までに感じたことのないくらい広く感じた。
僕の曲が流れ始めて後ろに並んでいたアイドル達はステージを掃けていく。
その立場は僕のはずだったのに
変わってしまった。
目の前で手を振って声をかけてくれるこのステージを見に来たお客さんに深々と頭を下げながら、トロフィーを担いで軽く歌う。
『ありがとうございました』
何回目かの言葉を吐いてステージを後にした。
振り返ったステージはもぬけの殻っだった。
いつも振り返れば誰か氏らが立っていたのに。
MN「A!!!すごいじゃないか」
『...』
MN「正直、今日も数票差で賞は取れないと思ってたんだけど」
失礼だな
MN「いや〜伸びしろすごすぎだろ」
...ん？
今日もってどういう事
僕は歌番組の本質を思い出した。
そうだった。
いつも誰が一位だとか小さな歌番組でもいつも競い合っていたんだ。
今日は僕がその競争に勝ったんだ。
何でだろう
『嬉しくない』
MN「ん？なに」
『何でもないですよ』
鼻歌を歌いながらバンに僕を誘導するマネヒョンを見て、自分の心にいったん蓋をした。
賞を取るのはすごいことだ。
それぐらい僕でもわかる...でも嬉しくないんだ。
「かけっこで一位取ったんだよ」
「だから何よ。駆けっこなんて服が汚れるじゃない」
「机とにらめっこして一位を取った方がすごいわよ」
「そっか...うん!!机さんで一位とる!!」
「顔怖いんだけど」
『そうですか、さようなら』
「待てよ!!ヒョンにそれはないだろ」
斜め横を見上げるとセフンさんが立っていた
背が高いな。縮め
SF「寝顔の方が可愛かったよ」
『嬉しくないです』
アナタのせいで僕は命の危機にあるのに
SF「...じゃあまたな」
何しに来たのか彼は頭を撫でて何処かに行ってしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 648人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キリン(プロフ) - はじめまして！とても面白い作品で、ずっと読ませてもらってます！まさか私の好きなワナワンが出るとは…！嬉しかったです！！これからも更新頑張ってください！！ (2017年8月31日 1時) (
レス) id: f73061513c (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - 本当に面白いです！これからもファイティン！ (2017年8月30日 18時) (レス) id: f13eb61b67 (このIDを非表示/違反報告)
テング(プロフ) - また年末の歌番組の企画とかでロゼを出してほしいです！ (2017年7月24日 22時) (レス) id: 0d10e0d5be (このIDを非表示/違反報告)
かなた(プロフ) - たるぎピンスさん» まじすか！？作っちゃっても大丈夫ですか！？不安しかないっすけど、そう言ってくれると調子のって作ってみようかな思ったり…！貴重な意見ありがとうございます！カムサハムニダ！ (2017年7月17日 21時) (レス) id: 6b7554c4f3 (このIDを非表示/違反報告)
たるぎピンス(プロフ) - この主人公でピョンテ作品…最高です← めっちゃ面白くて通知が来た時、テンション上がりながら読ませてもらってます！これからも頑張ってください♪ (2017年7月16日 22時) (レス) id: 4c7c015bdf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かなた | 作成日時：2017年7月16日 9時
