本当の願い (ページ1)

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4月、桜が満開になった春
俺は高校2年生になった

1年の頃に仲が良かった望とはクラスが離れた
友達を作るのが苦手な俺に話しかけてくれた唯一の友達

新しいクラスは他クラスの俺でも知っているレベルの陽キャ揃い
俺の入るところなんてない
別にぼっちでもいい、元々そうなんやから

ただこの教室の中にある空席が気になった
始業式に来ないってどんだけ不良やねん

担任である桐山先生は話が長い、はよ終わらんかなって少し耳を傾けた

「最後に、みんなに伝えておかないといけないことがある。そこの席の子は神山智洋くんって言うねんけど、病気で入院していて今後来れるかも今はわからん、ただもし学校に来れたときは温かく迎えて欲しい。これは俺からのお願いや。」

俺が不良やと思い込んでた空席の人は神山くんで、病気で入院中...
情報が一気に入ってきてよく分からんかった

「そんで、この後神山くんにプリントを届けに行って欲しいんやけど、誰か行ってくれる人おるか？」

もちろんこんなことを言われて喜んで行くやつなんかいない

でも、

「俺行きます。」

「お、藤井か、よろしくな」

なぜかこの時俺は手を挙げていた
自分でもなぜ手を挙げたのかはよく分からない

ただ、俺が行かなきゃいけない、そんな気がしていた