探偵社の自称最強異能力者さん【文豪ストレイドッグス】

人を殺して死ねよとて＿＿伍 ページ6

事はおさまり、僕達は電車に揺られて移動していた。


僕の中には、まだ申し訳なさが残っていた。


中島「さっきは……その……すみません……荷物もこんなことになっちゃって……」


与謝野「気にすることはないよ」


「そうだよ、あのくそ親父……僕嫌い！」


そう言って励ましの言葉をかけてくれる二人のお陰で、少しだけ心が軽くなる。本当にありがたい存在だ。


与謝野「でもA、あんたの異能力ならこの荷物ぐらいはどうにか出来たんじゃないのかい？」


「え？！それはその、僕自分の荷物に既に異能使ってましたし……」



Aくんの異能力「浮遊」はAくんの視界に入る範疇内のものであればどんなものでも自由に浮かせたり動かすことが出来る異能力だ。



一見とても強い異能に感じるのだが、探偵社の人は何故かAくんの異能力は最弱だと口を揃える。


中島「Aくんの異能力って、視界に入るものなら何でも浮かすことが出来るんじゃなかったっけ？」


与謝野「そんな強いもんじゃないよ。こいつの異能力はね、浮かせる言っても浮かせられるものはこいつが持ち上げることが出来る範囲のものに限られる……あぁ、だからこの荷物も無理だったのかい？あんた男のくせに力が無さすぎるんだよ……もっと鍛えな」


「んん……僕はまだ本気出してないだけだもん！」


Aくんが不満気な声をあげたときだった＿＿＿


ピンポンパンポン♪


車内にアナウンスが流れ始める。


アナウンス「あー、テステス。こちら車掌室。誠に勝手ながら、ただいまよりささやかな物理学実験を行いま〜す。題目は、非完成系における爆豪反応、及び感応評価。被験者はお乗り合わせの皆様〜！ご協力……誠に感謝……ではさっそくですが！これをお聞きくださ〜い！」


その瞬間、とんでもなく大きな爆発音が頭から足先まで駆け巡るように鳴り響く。


激しい揺れに思わず体制が崩れてしまった。


車内は一瞬にしてパニックに陥る。

人を殺して死ねよとて＿＿陸→←人を殺して死ねよとて＿＿肆

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す