探偵社の自称最強異能力者さん【文豪ストレイドッグス】

たえまなく過去へ押し戻されながら＿＿拾肆 ページ43

中島「お……鏡花ちゃん？迎えに来てくれたの？」


鏡花「心配した……」


中島「ありがとう……！」


本当に、鏡花ちゃんは心優しい子だ。


白衣の男性「それでは、私達は失礼するよ」


鏡花ちゃんと話をしていると、白衣の男性がこちらに話しかけにきてくれた。


中島「先程はアドバイス、ありがとうございました……！そういえばお医者さんなのですか？」


白衣の男性「元医者だよ。今は小さな寄り合いの仕切り屋中年さ」


元お医者さん……通りで頭が切れるわけだ。


鏡花ちゃんがギュッと僕の服の袖を掴んだ。


普段から物静かな子だから、初対面の人と話すのは少し恥ずかしいのかもしれない。


白衣の男性「少年、どんな困難な戦局でも、必ず理論的な最適解はある。混乱してヤケになりそうなときほど、それを忘れてはいけないよ」


中島「！……はい！」


白衣の男性「ではでは！」


白衣の男性はエリスさんと手を繋ぎながら僕に背を向け、にこやかに手を振ってみせた。


中島「困難なときでも道はある……か」


鏡花「っ…………」


中島「？……鏡花ちゃん？どうしたの？……鏡花ちゃん？鏡花ちゃん……？」


鏡花ちゃんは、白衣の男性が離れた瞬間その場にしゃがみこみ、息を荒らげて震えていた。


鏡花「……あの人はポートマフィアの……首領……森鴎外……」


鏡花ちゃんから伝えられた事実に、僕は息を呑むことしか出来なかった。

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