たえまなく過去へ押し戻されながら__捌 ページ37
作戦はこうだ。
最初は僕が鍵を持つ。そして、僕と谷崎さんであの怪物を引き付けている間に、鍵を自由に動かすことのできるAくんが僕から鍵を奪い、扉を開けて皆を助け出す。
谷崎「Aくん、さっきは足でまといとか言ってごめん。君が頼りだ……頼んだよ」
「任せてよ!必ず僕が皆を助け出す!」
安直に事が進めばこの作戦は完璧だ……谷崎さんの空間に虚像を映し出す細雪もあるし、この勝負は間違いなく勝ちだ。
ルーシー「お話しは終わった?準備はよろしくて?」
谷崎「……あぁ」
ルーシー「レディ……」
彼女の矯正された歯がギラりと怪しげに光る。
ルーシー「ゴ〜!!」
____速い!!
彼女が合図を出して僅か一秒も経たない間に、怪物は谷崎さんの背後に周りガッシリとその身体を掴んだ。
ルーシー「うっふふふふ……ひと〜りめ!捕まえた♡」
中島「谷崎さん!!」
探偵社の皆が閉じ込められている黒の扉から無数の手が伸びてきて、谷崎さんを引き込もうとする。
谷崎「うわああああ!!」
制止する術も無く、谷崎さんは黒い扉の奥へと連れていかれてしまった。
ルーシー「またお友達が増えちゃったわ♡ 嬉しいわね、アン!へ?なぁに?まだ欲しいの?……それじゃあ……!!」
彼女が不気味に笑うと、怪物は僕に向かって一直線に襲いかかる。
まずい、でも今まだAくんはここにいるし、今怪物の気を引いているのは僕だ。
Aくんが上手く動いてくれれば、また勝ち筋はある。
空間と月下虎を利用して、怪物から逃げ回る……少しでもいい、Aくんの為に時間を稼がないと!
ルーシー「すごいすご〜い!もっと見たいわ?なんて力強くて便利な異能力なんでしょう……さぞ幼少からチヤホヤされたに違いないわ……?貴方、元孤児なんですってね?あたしも孤児院育ちなの。とても寒い所よ……」
氷のような冷たい水で一日雑巾がけをした後は何日も指の痛みが取れなかった……自分の異能力を気味悪がられた……と彼女は続ける。
彼女は勘違いをしている……僕も、その気持ちがよく分かるから。
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まつの(プロフ) - 無花果さん» コメントありがとうございます! 素晴らしいと言って頂けてとても嬉しいです……!やる気アップしちゃいます😭🙏 男主私も大好きです!これからもよろしくお願いします✨ (2022年8月15日 23時) (レス) id: 71bdd36fd8 (このIDを非表示/違反報告)
無花果(プロフ) - わわわわわわっどっどうゆうこと? なんか、その、素晴らしいです。 いや、自分、12歳私立女子中学1年生なんですけど、こういう男主系は好きです。 有り難いです。 (2022年8月15日 23時) (レス) id: 2c86921cab (このIDを非表示/違反報告)
まつの(プロフ) - あまの。さん» コメントありがとうございます! 着眼点が凄い……!こだわっているポイントの1つなのでとっても嬉しいです✨ マイペースな更新頻度にはなりますがこれからも是非よろしくお願いします! (2022年8月14日 19時) (レス) id: 71bdd36fd8 (このIDを非表示/違反報告)
あまの。(プロフ) - 初めまして!夢小説なのに主人公からの視点の話が今のところ一切無いというのが、何を考えているのか分からない主人公という演出感満載でとっても素敵です……!これからも更新楽しみにしてます! (2022年8月14日 19時) (レス) @page5 id: 9e424abfc0 (このIDを非表示/違反報告)
まつの(プロフ) - はわわさん» コメントありがとうございます……!まだまだ謎多き主人公ですが、これからも是非楽しんでお読み頂ければと思います✨ (2022年8月13日 3時) (レス) @page19 id: 71bdd36fd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まつの | 作成日時:2022年8月12日 18時