探偵社の自称最強異能力者さん【文豪ストレイドッグス】

有頂天探偵社＿＿壱 中島敦side ページ20

生きて戻ってきた。


列車内でポートマフィアからの襲撃を受け、探偵社にあの子＿＿鏡花ちゃんを連れて帰ったその次の日、僕は鏡花ちゃんと二人で横浜の街を見て回った。


あろうことかその出先でポートマフィアに拐われるという失態を晒し、船上にて芥川と対峙する始末だ。


本当に生きた心地がしなかったが、国木田さんが助けに来てくれたこと、再びここに鏡花ちゃんと二人で帰って来られたことが何よりの幸せに思えた。


＿＿＿けれど、鏡花ちゃんの35人殺しを探偵社は許すだろうか……？


もし彼女と探偵社が対立したら、僕はどうすれば……？


意を決して、探偵社の扉を開ける。


中島「……おはようございます……えっ……？！」


目の前の光景に目を疑う。


メイド服を着た鏡花ちゃんが机の上に立ち、探偵社の皆がそれを携帯で撮影する……プチ撮影会のようなものが行われていたのだ。


ナオミ「ちょっとクルッと回ってみてー？」


ナオミさんの指示に従い、これでもかと言うほどコマのようにクルクルも回る鏡花ちゃんに、周りからは歓声が上がる。


ナオミ「か〜わいい〜！」


中島「何やってるんですか……？」


気になって、僕の一番近くで鏡花ちゃんを撮影していた谷崎さんに声をかけた。


谷崎「ん？だって彼女、何着てもすっごく似合うんだもの〜！」


中島「いや、そこではなくて……国木田さ〜ん！」

国木田「そんな目で見るな。俺も止めたのだ」


これはダメだと思い、唯一真面目に仕事をしていた国木田さんに声をかけたが、軽くあしらわれてしまった。


中島「大丈夫なのかな……」


「やっぱりまずいのかな〜これ」


中島「皆さんが良くても、乱歩さんなんかこの手の規則は気にするんじゃ……」


「あぁ、それは大丈夫」


大丈夫……とは一体＿＿＿


江戸川「＿＿＿ただいまー！買ってきたよー！」


「乱歩さんが一番浮かれてるから」

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