【ツルネ】遣らずの雨 (ページ7)

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見覚えのある制服姿で、しゃがみこむ子がいた。

傘もなく、ひたすらに教科書やらを抱き締め、酷い風と雨に襲われている。

心配になり、俺は慌てて車を停め、彼女に声をかけた。

それが、三栖との出会いだった。

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「…助手席濡らしてしまってごめんなさい。」

滝川「大丈夫、気にするな。家は？送ってくよ」

滝川さんは、ふっと優しく笑ってくれた。

「…た、滝川さん」

滝川「なんで俺の名前を、、」

「あっ、…えっと、た、竹早くんと仲が良くて、それで、」

隣の席なだけで、仲が良いかと言われるとわからなくなるが咄嗟の言い訳にはピッタリだった。

滝川「静弥のやつ、どうせ俺の悪口でも言ってたんだろ～」

夢を見ているようだった

滝川さんと話している。

ましては彼の助手席にいる。

こんな酷い有様を見られていることも忘れ、私はひたすらに心を焦がした。