今日:2 hit、昨日:30 hit、合計:1,738 hit
小｜中｜大
1 ページ3
小さい頃から沢山絵を描いてきた
それはもう数え切れないほど
それでもやっぱり、最近は上手くいかない
自分の絵に納得がいかないのだ
「はぁ。」
刹那、強い風が美術室のカーテンを揺らした
青の絵の具が机から落っこちて、私がそれを拾おうとしたら桜の花びらがひらひらと落ちてきた
もうすぐ春が終わる
花びらと青い絵の具を拾うと、矢が的に当たった時の音がした。
「…綺麗な音」
美術室は3階の1番奥
窓からは弓道場が少し見えて、私はゆっくりと覗いた
「…」
艶やかな青髪を揺らしながら、笑う男性
桜の花びらを攫って大きく吹く春風に掻き乱されたように、私の心は大きく揺れる
握りしめた青色の絵の具は少し形が歪んでしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 22人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：やよい | 作成日時：2024年2月22日 15時
