【ツルネ】遣らずの雨 (ページ19)

今日:35 hit、昨日:30 hit、合計:1,771 hit

17 ページ19

雨に濡れる後ろ姿は、酷く悲しげで今にも消えてしまいそうだった。

傘をさしてやれば、彼女は俺の胸に飛び込んできて、そのまま子供のように泣きじゃくった。

俺は、少し迷ってから、彼女の震える背中に手を回した。

三栖に会いたかった。

そんなこと絶対口には出せないけれど

確かにそう思った。

これが俗に言う恋ならば、間違いなくそうで

ただそれが許されないことだと分かっているから

俺はこの感情を押し殺すしかなかった。

・

・

滝川「ほらタオル」

「ありがとうございます。」

三栖のワイシャツからは水が滴り、またもや下着が透けていて、目のやり場に困った。

滝川「着替えた方がいいな、ちょっと待ってろ」

俺は、引き出しから自身の大きめのTシャツを取り出すと三栖に渡した。

滝川「こんなのしかないけど…このままじゃ風邪引くし、我慢してくれ」

「ありがとうございます。」

彼女は嬉しそうに微笑むと、その場で突然着替え出すものだから、俺は慌てて後ろを向いた。

滝川「お、おい！」

「…16歳の裸なんて見たってどうってことないです。」

三栖は、少しムキになった声でそう言う。

滝川「…そういう問題じゃないだろ」

「滝川さんのえっち。」

滝川「大人をからかうな。」

後ろから三栖がクスクス笑う声がして、俺も頬が緩む。

とはいえ

一瞬見えた豊かで白いものは、とても16歳ではなかった。