【ツルネ】遣らずの雨 (ページ16)

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私は何を言っているんだろう。

先走って出た言葉はもう消すことは出来なくて。

滝川「三栖…」

何より、滝川さんと離れたくなかった。

我儘なのは分かっていても、遠にこの感情は自分で抑えられるキャパを超えていた。

なんだかもう頭がパンクして泣きそうだ。

平凡16歳が、24歳の歳上、ましては滝川さんに相手にされる訳がない。

分かってる。

私のこの気持ちは、滝川さんを困らせるだけだと。

分かっていて尚、どうにかせずにはいられないのだ。

「ごめんなさい、困らせるようなことを言って。帰ります。」

零れそうな涙を堪え、車のドアを開けた。

滝川「三栖！」

滝川さんの声を無視して車を降りると、お辞儀をし家に入った。

ああ駄目だ。

もう合わす顔がない。

「…苦しいよ」

私は玄関の扉を閉じて、すぐしゃがみ込んだ。

堪えていた涙は次々と流れ落ち、しばらくは止まりそうにない。

滝川「…」