【ツルネ】遣らずの雨 (ページ13)

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如月「それにしても三栖さん、可愛かったなぁ～。ね、かっちゃん。」

小野木「俺に振るな。興味無い。」

如月「そんなこといってチラチラ見てたくせに」

小野木「見てねーよ！！」

滝川「ほら集中！」

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美術部の部員は三学年合わせて12人。

ほとんどが女子生徒で、みんな静かに各々の作品に取り掛かっている。

私は、スケッチブックに描いたラフ画を見つめ、大きなキャンバスに下書きを描き始めた。

外から聴こえてくる心地よい弦音たちに耳を預け、私はひたすらに下書きを描いた。

その日を境に、私は美術部が始まる少しの時間だけ弓道場に顔を出すようになった。

そして、春が終わり夏が来て、滝川さんの髪が短くなっても、相変わらず距離は縮まらず…。

もっと喋りたい、もっと触れて欲しい

もっともっと。

好きは以前より増す一方で、私の心を甘く苦しめた。