【鬼滅の刃】鬼殺隊が大嫌いな舞姫 (ページ2)

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零ページ2

A
「龍の呼吸(りゅうのこきゅう) 壱の目(いちのめ) 轟(とどろき)」

刀を地面に刺して、それから鬼の頸に刃を当てる

ひっ、とまだ人間らしい声を出すそれ。

醜い、

血が飛んできた

醜くて、汚い

「……次、あんたが生まれてくる時はそんなんに生まれてくんな」

切るのも面倒、見つけ出すのも面倒、こいつらが喰った人間の家族が辛い顔をすんのを見るのも面倒

「鬼なんて全部面倒すぎんだ」

血を払い、鞘にしまう

独特な音が、耳に響いた

今日は、三日月

まだまだ、満月には程遠い

次はどこに行こうか、そう足に力を入れると

「おい、A、！知らせだ知らせ」

「はぁ？」

あの鬼を滅ぼすとかなんとか言ってる隊じゃないから、鎹鴉ではない

鴉、というよりは鷹だね

バッサバッサうるさいくらいに音を立てて肩に止まった

おもい

「文…？誰から」

解くと、綺麗なのかよくわかんねえ字で

産屋敷耀哉、と書いてあった

「………………あぁん！？」

こいつがなんの用ってんだよ

「親愛なるAへ…ｯﾁ、最初っから腹立たしい奴」

“親愛なるAへ

元気にしているかい？君が鬼を倒してくれるおかげで、鬼殺隊が遠くに行かないと鬼を切らなくなったよ、ありがとう”

「嫌味かよ」

“ところで、明日の朝、突然だけどこちらに来てくれないかい？
鬼を庇った少年がいるんだ

裁判を行うから、君にも来て欲しい
君に判断、そして意見を聞きたいんだ

まさか嫌だ、なんて言わないよね

よろしく頼んだよ”

「鬼を、かばった…？」

馬鹿馬鹿しい。でも、どこか自分が求めていた答えが行けばある気がした

「ふん」

文を折ると裏に、“来なかった場合は無理やりにでも連れてくるからね”と書いてあった

「……こわっ」