廿玖 ページ35
A
「下のやつは上のやつを超えていくんだ。
強くなるってのは当然そんなもんだ。
でも、お前は今、私に負けた。どういうことがわかるか?」
伊之助はふるふると首を横に振った。
随分と弱々しい振り方だったけど、とりあえずは私の話を聞いてくれてるようだ。よかった。
「今はその時じゃないってことだ。
血が滲むような努力をして、嘔吐するような鍛錬を超えるんだ。
そしたらお前はきっと強くなる。
上の立場の強い人間を、若くて未熟なお前らがそうやってどんどん完熟してくんだ。」
だから、強くなれる。これで終わりじゃない。そう言うと、伊之助は目に光を取り戻した。
伊之助「…マダ、強クナレル?俺…」
羽織の裾をきゅっと掴んでそう言った。
それなら愛らしいもんなんだがな。
「なれる。そのために鍛錬するんだ。それなら泣いてる暇なんて勿体ないだろ?」
顔を覗き込んでそう言うと、次は顔に光が灯って、笑った。
伊之助「ふん!まあ、俺様だからな!」
よし、戻った。猪の被り物を伊之助に返して、私は自室に戻ることにした。
頭をぽんと撫でる。
柔らかくて、艶のあるその髪は、いつかの弟のようだった。
伊之助「!…おまえぇ!俺をホワホワさせんじゃねえ!」
また理不尽にキレられた。解せぬ。
はいはい、と適当に返事して出ていこうと寝具から身を浮かせると、
伊之助「お前を子分として認めてやる!喜べ!」
鼻を勝ち誇ったようにふふんと鳴らす。
「ふは、なんだよそれ」
少し笑ってしまった。
炭治郎「!!(すごく綺麗な笑顔だ)」
善逸「ギャアアアアアアア!!!(え、すごく、その、ぎゅってなった…)」
伊之助「だっから、ホワホワさせんじゃねぇぇぇ!!」
元気そうでなによりだ。
じゃ、と今度こそ部屋を出て行くと、後ろから竈門に声をかけられた。
✂- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -
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ピエロ(プロフ) - ひーちゃさん» ありがとうございます!!そう言っていただけて嬉しいです…! (2020年2月28日 11時) (レス) id: ac5457e183 (このIDを非表示/違反報告)
ひーちゃ(プロフ) - めーっちゃよき!! (2020年2月27日 23時) (レス) id: a3b4ed7c89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピエロ | 作成日時:2019年1月21日 21時