馴れ初め？5 ページ12
2人きりの会話って、楽じゃない
手作りの弁当を食べながら、Aはそう思う
隣に座るのは及川でも岩泉でも、はたまた茜でもなく知らない男子生徒
……いや、さっき知ったばっかりって言えばいいのか
前期の時に同じ委員会で、その時からAのことを好きらしいその男子
見た目からわかる真面目な感じの生徒
でも、3分くらいは黙ったまま
……いつも、どんな風に喋ってたっけ
「……えと、巳南…さん？」
巳南「くん、でいいよ」
笑いながら、恥ずかしそうに言うその姿を見て
(…本当に私の事好きなんだな)
そう、どこか他人事にとらえてしまった
及川『もー！さんってなに！？くんとかでいいよ！』
ふと、初めて会った時の彼のことを思い出す
そうだ、あの時も及川さんと呼んでそう怒られたんだ
……懐かしいなあ、
「じゃあ巳南くん、って呼ぶ…呼びます」
巳南「あ、うん……その、タメでもいいよ？同い年だしね」
「そっか。うん、分かった」
巳南と2人、顔を見合わせて笑う
その姿を、どこか寂しい目で見つめる人が、ひとり。
-------❁ ❁ ❁-------
俺が笑いかけてくれるまでどれくらいかかったと思ってんの？
口に出せない不満を心の中で叫ぶ
顔が「綺麗」って言うだけで注目を浴びていたA
その噂というか、事実も及川は知っていた
「あんまり笑わないんだよね」「なんかお人形さんって感じ？」「関わってみたけど性格もあんま悪くないよ」「え？なのに笑わないの？」
女子が話していた会話を聞くと、そんな感じの内容で喋っていたこともあった
そこから、何故か及川は
及川(……笑わぬなら、笑わせて見せよう東条ちゃん？)
そんなアホなことを考えて、Aと関わってきた
笑いかけてくれたのは、半年以上かかったある日
……大会で、ウシワカに負けた時だったと思う
悔しくて悔しくて悔しくて。
唇を噛み締めて、机に突っ伏して俯いていた時
「……頑張った分だけ帰ってくるって嘘だと思うんだ」
いつの間にか前の席に座っていたAが、そういう
及川「…慰めとか、いらない」
「慰めじゃない
私が思うことだよ」
及川「……」
「及川くんは頑張ったんでしょ？
なら次。めっためたにやっちゃえばいいよ」
＿＿＿＿＿微笑んでくれた
目を見て、頑張りを認めてくれた
思えば、その時から。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1057人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ピエロ(プロフ) - ミントさん» 返信遅れて申し訳ありません…！影山くんのまで読んでくださったんですか！？ありがとうございます！！気長に待っててくださり本当にありがとうございます！ (2021年2月23日 19時) (
レス) id: ac5457e183 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - 及川さんっ！！ハイキューの推しがたくさんいるので読んでて楽しい作品です！！（影山のもみました！）作品の続き楽しみです！頑張ってください！ (2021年1月30日 9時) (レス) id: 76efc995bc (このIDを非表示/違反報告)
ピエロ(プロフ) - 善さん» まだ秘密です……お楽しみに待ってて下さい！ (2021年1月24日 22時) (レス) id: ac5457e183 (このIDを非表示/違反報告)
ピエロ(プロフ) - milyyさん» ありがとうございます！まだ受験終わってないので嬉しいです！milyyさんもお体にお気をつけて下さい…！！ (2021年1月24日 22時) (レス) id: ac5457e183 (このIDを非表示/違反報告)
善(プロフ) - 千夏ちゃん悪女なの？ (2021年1月24日 16時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ピエロ | 作成日時：2020年6月28日 20時
