【ハイキュー】影山飛雄が溺愛する彼女

運命の ページ15

＿＿＿＿運命。




それすなわち、人間の意志にかかわらず、身にめぐって来る吉凶禍福。めぐり合わせ。転じて単に、将来。




運命だなんて言葉では、これは語っちゃいけない




(……とびおくんも、)




彼も、試合中はこんな気持ちなのだろうか




彼の場合は、その場で直ぐに決まってしまう




スパイクが決まるか、ブロックが勝つか、チームがどうか。




……でもA達は、違う。




他校の演奏を聴き、自分たちも演奏し、結果を待つ




どんなに、どんなに、どんなに、苦痛か。




緊張か痛みか怖さか何もかも分からない




考え始めれば止まない思考がぐるぐると頭の中を回る




＿＿＿＿＿＿今までは。




すぅ、と息を吐いて、心を落ち着かせる




勝つのは、私だ。




……＿……＿

遠田「まず、卵たちの紹介からするね

鷹ノ宮ヴァイオリニスト、月野A」




影山の心臓が、きゅっとなる




影山(Aしか見るなAしか見るな……)




あの彩に言われたことをまだ守っているようだ




でも、その刹那ホールを満たしたのは




「……はい！」




元気な返事と、柔らかな笑顔




右手を突き上げて笑った後、その手を胸にまわしお辞儀をする




静かな拍手がホールを響かせる




その時影山は




影山(…そうだ、あいつは緊張とかしてしてねぇもんな



俺は信じるしかねぇ)




口元の手を膝に下ろして、少しだけ握る




彼女が勝つのはきっと、運命だから大丈夫。

影山はそう思った

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