【ハイキュー】影山飛雄が溺愛する彼女

最低やな ページ1

『ただいま、最終演奏の準備を致しますので、少々お待ちください』




彩「……一騎打ち、だって」




アナウンスのどこか慌てた声を聞いて、彩がAの背をなぞりながら優しく語り掛ける




「うん、」




にへらと笑いながら、左の方へ目をやる




(……絶対来るの、分かってる)




観客席の並びとして左から花岡、烏野、鷹ノ宮と並んでいた




……花岡の方から、芹沢が歩いてくるのが分かる




Aは下唇を噛んで立ち、その方向へ歩く




彩も後ろからついて行く




烏野の前で、2人は止まる




芹沢「ですって、アナウンス聞いてたでしょ？」




「聞いてたよ、……！」




そう口にすると、芹沢はAの耳に口を寄せる




芹沢「……私のお父様、審査員の方に昨日媚び売ったの」




「……ぇ、」




嫌な予想ではあるが、大体の予想は着く




芹沢「だから、勝つの私なんだよね？

ごめんねぇー！」




耳に障るその声が、Aの耳にも届く




目の前で楽しそうに笑う女に、これほどまでにイラついたことは無い




彩「は？、あんた最低じゃん」




ドスの効いた声で彩が制す




芹沢「最低？なんのこと？

なんだっていいのよ、あんたに勝てれば」




「！」




長い指をAの胸にとん、と当てる




この言葉に、Aは冷めた目で返した




「…………ふざけないでよ、勝つのは私」




『月野さん、芹沢さん。練習室が空きましたので、そちらで15分間の練習時間を取れます』




果たしていいタイミングか悪いタイミングか、アナウンスが声をかける




Aは目の前の芹沢を無視して、彩の手を引く




彩「え、A？」




彩(やっべー、A怒ってるよ

あいつ知らんの???????人生で何がいちばん怖いかって




普段温厚な人怒らせる事だよ????)(経験者は語る)




「…私、勝つから」




彩「！」




ヴァイオリンのケースを持ち上げる




持ち手にはハートのストラップ




Aは彩にも悟られないように、ぐしゃぐしゃになった顔をすぐに隠した

堪らず→

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