【ヒロアカ】通りゃんせ (ページ32)

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３１話ページ32

死柄「お前…童……じゃねぇだろ？？」

死柄木の言葉にAの肩は大きく跳ねる。

そしてその場に居合わせた人、全員意味が分からないといった表情をする。

一旦吹雪が止む。

貴方「……や…」

死柄「通りで気が付かないわけだ。

童……お前の苗字じゃねぇもんなぁ？」

貴方「……っ…！」

ギリギリと歯を食いしばる。

再び雪が激しく降り始める。

緑谷は状況が理解出来ておらず、少々混乱しているが頭の何処かは冷静で

緑谷(…蛙吹さん、離れた場所に非難させておいて良かった…)

そう考えていた。

死柄「まぁ、お前が父親の苗字を名乗ってて良かったよ。

でなきゃ気が付かなかったからな。」

貴方「……いや……っ！」

風が強くなる。

積もった雪が舞い上がる。

死柄「お前の名前は」

貴方「……だめ…！！！」

舞い上がる雪を見て不覚にも綺麗だと思ってしまう。

死柄「童じゃ無くて」

貴方「……やめてっ…！！！」

変わらなかった彼女の表情が僅かに歪む。

それと同時に今まで見たことが無いほどに吹雪く。

鼻先までもハッキリ見えないくらいに。

死柄「神堂だろ」

急に雪が止み光が差し込んだ。