２話 ページ3
飯田「やはり君も新入生だったか！」
貴方「……うん…」
飯田「歩いているという事は、家は学校の近くなのだな！」
貴方「……そ…」
傍から見たら、一方的な会話である。
だが、少女も何処か嬉しそうな表情をしている。
二人は大きな扉の前で足を止める。
どうやら教室に辿り着いたようだ。
貴方「…先………行ってる…」
Aはそう呟くと大きすぎる扉を開けて教室へと入っていった。
たった数十分の出来事ではあったが、飯田も彼女の性格は理解出来たようなので何も言わずにただ頷いた。
Aの席は一番後ろで一人だけはみ出ているようだ。
席に着いた途端、分厚すぎる本を開き読み入る。
教室内はてんやわんやだが彼女は素知らぬ振りをする。
彼女が気がついた時にはあたりが静まり返っていた。
どうやら先生が来たようだ。
ジャージを手渡され、グラウンドへ集合するようにと言われた。
ぞろぞろとクラス全員が更衣室へ向かおうとする。
貴方「……天哉…更衣室……まで…」
そう言いながら飯田へと駆け寄る少女。
飯田も飯田で彼女をすんなりと受け入れる。
飯田「ああ、勿論だとも！
A君、先程難しそうな本を読んでいたようだが……」
貴方「……ん…後で貸す…？」
飯田「！！良いのか！！！？
ならば後で俺の本も…！」
貴方「………うん…ありがと」
「「(リア充オーラ半端ないんですけど！！？)」」
二人は知らぬうちに名前呼びに変わっていた。
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作者名：ドゥラメンテ | 作成日時：2018年9月23日 8時
