【HQ】お……女じゃねえからな！_2

1 ページ1

.


「疲れた〜」


日が暮れて来て、涼しい風が体育館の中へ入ってくる


私は午前中に体力がほぼゼロになってしまったため、午後の練習試合ではあまり……全くと言っていい程に活躍できなかった

と、言うかほぼ試合には出てない


みんなには申し訳ない気持ちでいっぱいだ


みんな、どんまいどんまいって言ってくれて笑ってくれてたけど、実際は邪魔だと思ってただろうな


はあ、悲しい

もう、すでに帰りたい


このまま役に立つことが出来なかったら、要らないと言われるのだろうか


もう来るなと言われるのだろうか

女みたいな奴は必要じゃないと言われるのだろうか


監督かコーチに何かしたと言われるのだろうか


彼らはそんな酷いことを考えないし、言わないと分かっているがどうしてもそんな考えが浮かんできてしまう


自分に自信が無いのも、体力がないのも、みんなを信じきれていないのも

全部自分が嫌いだ


涼しい風は自分を冷静にはしてくれなくて、出て行けと拒否られているかのように感じられる


「A？」


「っ！」


肩をトントンとされ、急に呼ばれて現実に引き戻された


非常にびっくりした


慌てて振り返ると英が心配そうな顔でこちらを見ている


「ど、どうした？練習もう終わりだろ？あ、食堂に行く？」


焦っているのかなんなのか、ぺらぺらと口から言葉が出てくる


笑えてる？


私、笑えてる……？

2→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す