普通が良い (ページ6)

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普通6 ページ6

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繰り返すばかりの日常

普通

普通に起きて、普通に朝ご飯を食べて
普通に準備をして、普通に大学へ向かう

私はとても普通だ

それは小さい頃からのこと

いつでも私は普通だった

普通が取り柄だった

運動神経も頭の良さも全てが普通

誰かと対比されることなく、目立つことなくただ普通に過ごしてきた

多分、私はずっと普通のまま

でもたまには、普通から抜け出したい

普通の人間がなに烏滸がましい事を思うんだろうか

毎日同じだと、流石に嫌気が差す

だからって違うことをしようとすると、必ず失敗に終わる

今も、ほら

いつもの大学までの道と違う道を通ってみようと思ってしまったから

いつもと違う大通りへ来てしまったから……

私の足は進むことなく、とあるお店の前で止まってる

なんの変哲もない雑貨屋さん

人が行き交う中、私は足が地面に張り付いて動く事ができてない

きっと、とても邪魔になっている筈

でも、動けない

……気分転換にと、変えた大学までの道

人が多くて少し苦手な大通り

でも自分が普通だと感じれて落ち着く道

だけど、雑貨屋さんから流れて来た音楽によって、頭が真っ白になった

私の好きな声

私の大好きな音楽

私が入り込んで普通を捨てようとした切っ掛け

結局、失敗に終わってしまったけれど……

トラウマ。そして希望

私は弱い

貴方の声を聴くと、普通から抜け出したくなる

貴方の様に……なりたくなる

「あっ、すみません！」

後ろからドンッとくる衝撃

何故だろうか

抵抗する事も出来なく、私は倒れていく

同時に薄れていく意識

「えっ?!あ、大丈夫ですか?!!」

嗚呼、迷惑を掛けてごめんなさい

誰だか知らないけど