普通が良い (ページ14)

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普通14 ページ14

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ずっと避けていた部屋

目の前を通る時は見ないように、思い出さないように早歩きをしていた部屋

いつの間にか入ることが辛くなった部屋

ドアを開けると、部屋は時が止まっていたかのように前と何ら変わりはない

少しだけ、埃っぽいけれど

ぐっと心臓が押し潰れそうな感覚に陥る

これが拒絶反応なのか、感情が高まっているのかは私には分からない

めいさんに選んでもらった機材をひとつひとつ丁寧に設置していく

古い物は捨てよう

新しく生まれ変わるの

あの時の私とは違うんだから

「……さぁ、始めよう」

普通に拘るのは悪い事じゃない

過去に囚われるのは別に悪い事ではない
けれど前に進めなくなる

好きなモノが嫌いになる瞬間

あれは忘れられない

高2にして絶望を味わった

でももう大丈夫

変わる切っ掛けはめいさん

そして、偽者さん

あの時の不安は消えないけれど

記憶も消えないけれど

前に進むの

怖がってちゃダメ

みんなに笑顔を配る前に、私が笑顔にならないといけない

そうでしょ？

待ってくれている人のために頑張る

「よしっ」