個性と技量 ページ35
滞りなくHRも終わり、午前中は資料作りや雑務で何事もなく時間が過ぎた。
13号と相澤先生とで簡単な打ち合わせをして、1-Aの引率を相澤先生に、13号と私は前に話してた通り早めにUSJに赴いた。
『やっぱり、医療キット持ってきて良かった…』
久しぶりに来たけど、学校から遠いせいで道具の補充状態はあまりよろしくない。
看護室で色々確認してたら、足りない物が出るわ出るわ。
校長先生に道具や物資の申請をしておかないと。
足りない物のメモを取って、時計を確認するともう授業の始まる時間。
慌てて最後の確認項目の通信機器に手を伸ばす。
テスト用と学校側に伝えてるから誰かが出てくれればそれで終わり。
なのに、通信機は誰かが出るどころか、発信音すら聞こえない。
『どういう…、…─ッ！？』
「っらぁあ！！」
背後から振り降ろされる刃を紙一重で躱し、横から岩の様な拳が眼前に迫る。咄嗟に身体を捻って拳を避け、その場から距離を取った。
「チッ」
「おいおい何外してんだよノロマ！」
「うるせぇ！」
荒々しい雰囲気と向けられる殺意。
言葉に出来ない嫌悪感。私はこの感覚を知っている。
どうして、ここに敵が。
「確かこの女、無個性って話だよなぁここで死ぬなんて可哀想に」
「恨むなら自分を恨みな！ギャハハ！」
左右を挟まれる。手から伸びる刃物に、異形の拳。
まともに当たればひとたまりもないだろう。
『…なめんな』
「あ？何か言ったか女─…がッ」
ぎりッと肉を絞める感触。手袋から伸びる糸を強めに引けば、刃物が砕け、敵の両腕が鬱血し悲鳴が上がる。
「テメェ何しやがったッ！」
大きく振り被った拳を躱し、勢いよく敵の顎に回し蹴りを入れる。衝撃で白目を向き、後ろへ態勢を崩す敵の足に何重にも糸を巻き付け、重さを利用してもう1人の敵へ投げ飛ばす。
肉のぶつかる音が響き、2人して壁へと打ち付けられた。
「がぁッ…」
「ぁ…、あぁ…」
異形型の方は完全に意識がのびきり、刃物の敵はタフなのか上に重なるもう1人をどかそうと必死に藻掻く。
『…すみません、聞きたい事があるんですけど』
「っ！？な、かは、…」
口から苦しそうに泡を吹き、爪を立てて首を掻き毟りだす。
『力を入れ過ぎると肉が切れますよ』
ピアノ線より太く、ワイヤーより細い特殊合金の糸。
首に巻き付いた糸を軽く緩め、敵に近付き腰を降ろす。
『それで、貴方々の目的は何ですか？』
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とよ(プロフ) - 初コメ失礼します。尊い、、尊き、、なにこの幸せおしどり夫婦もう一緒抱きつき合って幸せになっていやがれ！！と心の周波数が乱れ、思わず叫んでしまいました。無理せず更新はいつでも気長に待ってます！この作品大好きです！あと相澤先生もす((((( (2023年3月2日 21時) (
レス) @page49 id: d1624c287f (このIDを非表示/違反報告)
シュリ(プロフ) - りゅうさん» りゅうさんお久しぶりです！この展開は前々から考えていたシナリオでした。読者の方々が望んでいた物語ではなかったかもしれませんが、もう少しだけ2人の話に付き合って頂けると幸いです。作品を読んでくださりありがとうございます！(*^^*) (2020年3月26日 20時) (レス) id: 6347914aa2 (このIDを非表示/違反報告)
シュリ(プロフ) - _Mikado_さん» _Mikado_さんコメントありがとうございます(*^^*)楽しみにして下さってありがとうございます！これからもよろしくお願いいたします！ (2020年3月26日 19時) (レス) id: 6347914aa2 (このIDを非表示/違反報告)
りゅう - こんばんは！最新話拝見致しました(涙)まさかと思いながら小説を読んでいて自分自身も悲しい思いでいっぱいです… (2020年3月26日 19時) (レス) id: 18e42f338b (このIDを非表示/違反報告)
_Mikado_(プロフ) - 続きたのしみです！更新頑張ってください！ (2020年3月26日 17時) (レス) id: f327cce89d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シュリ | 作成日時：2020年3月4日 1時
