守るから ページ30
「おめでとうございます。妊娠2ヶ月ですよ」
『……』
「風衹さん？」
『あ、はい…』
頭の中で先生の言葉がぐるぐるしている。
「体の怠さは妊娠の初期症状ですね。悪阻も酷い様なので、あまり無理せずに。家族や友人に相談してちゃんと頼るのも大切な事ですよ」
『…はい』
「診断書出しておきますね。他に何か不安な事はありますか？」
─────
──
リ「お疲れ様。どうだったんだい？」
『…2ヶ月目、だそうです』
待合室に戻って改めて診断書を確認する。
そこには確かに陽性の診断と妊娠期間の数字が記載されていた。
リ「あんたは隠すのは上手いけど、自分でも目を逸らしてたのは頂けないね」
『バレてましたか』
診断書を畳んで、まだ膨らみのないお腹に手を当てる。
『何となく予想はしてたんです』
リ「そうだろうね」
『時期的に色々重なってたので、可能性は低いだろうって…』
考えない様にしていた。が本音かもしれない。
私の抱えているものが多すぎて、重くて、向き合うのが怖かった。
でも、
『…でも、改めて妊娠したって分かった時、色々考えてた物が無くなって、嬉しいとしか思わなかった』
不安や恐怖よりも先に、嬉しいと思った。
『あの人との子供を守りたい。この子を大切にしたい。…今は、ほんとにそれだけですね』
リ「そうかい。あんたがそう思えたなら大丈夫さね」
もし私と同じ"無個性"だったらどうしようって、不安も恐怖もある。他にも挙げだしたらキリが無いくらい。
でも結局、どれだけ考えても不安になっても、それは自分を追い込んで自分で逃げ道を塞いでしまう。
そうなった時、どれだけ苦しいか、どれだけ相手を傷付けるか、私も彼も知っている。
リ「イレイザーにはいつ報告するんだい？」
『……明日の夜、ですかね。
せっかくだから証明書付きで報告したいじゃないですか』
今日はもう時間が過ぎてしまった。
明日届けを出しに行って、手帳を貰って、今まで出せなかったあの紙も。
リ「ふふ、どんな反応をするかねぇ」
『どうでしょうね。…きっと驚くだろうし、でもやっぱり、最後には喜んでほしいです』
お腹を撫でて、そっと微笑む。
正直、バレないか不安だ。消太はよく人を見てるから。
でもそんな彼だから、私は救われてきた。
貴方のお父さんは、とてもかっこよくて、とても優しい人。
どうか、安心して私達の元に産まれてきてね。
お母さんが、貴方を守るから。
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とよ(プロフ) - 初コメ失礼します。尊い、、尊き、、なにこの幸せおしどり夫婦もう一緒抱きつき合って幸せになっていやがれ！！と心の周波数が乱れ、思わず叫んでしまいました。無理せず更新はいつでも気長に待ってます！この作品大好きです！あと相澤先生もす((((( (2023年3月2日 21時) (
レス) @page49 id: d1624c287f (このIDを非表示/違反報告)
シュリ(プロフ) - りゅうさん» りゅうさんお久しぶりです！この展開は前々から考えていたシナリオでした。読者の方々が望んでいた物語ではなかったかもしれませんが、もう少しだけ2人の話に付き合って頂けると幸いです。作品を読んでくださりありがとうございます！(*^^*) (2020年3月26日 20時) (レス) id: 6347914aa2 (このIDを非表示/違反報告)
シュリ(プロフ) - _Mikado_さん» _Mikado_さんコメントありがとうございます(*^^*)楽しみにして下さってありがとうございます！これからもよろしくお願いいたします！ (2020年3月26日 19時) (レス) id: 6347914aa2 (このIDを非表示/違反報告)
りゅう - こんばんは！最新話拝見致しました(涙)まさかと思いながら小説を読んでいて自分自身も悲しい思いでいっぱいです… (2020年3月26日 19時) (レス) id: 18e42f338b (このIDを非表示/違反報告)
_Mikado_(プロフ) - 続きたのしみです！更新頑張ってください！ (2020年3月26日 17時) (レス) id: f327cce89d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シュリ | 作成日時：2020年3月4日 1時
