居場所/ ページ16
新しい学校に新しいクラス。初日の朝は皆個性の紹介や自慢話で賑わっていた。
私は机から動くことなく1人で、誰もこちらに近寄ろうとはしない。
ただ遠巻きに、誰かが囁いていた。
紹介する必要もなかった。皆知っているから。
無個性の風衹 Aだと。
中学になると、小学校で受けてた嫌がらせより陰湿になっていて
何より徒党を組んだ女子の絡みがうざい。
昼休みに入った直後にこれだ…。
「ねぇねぇ風衹さん、無個性ってどんな感じ？」
「何も無いんじゃ将来大変だねぇ」
「あ、でも家が裕福だからお金には困らないか！」
家柄と比較されることには慣れてる。
風衹は名前の通り、風を操る個性で父親はプロヒーローとして名を上げている。
嫁いで来た母親もプロヒーロー、個性は雷電。
個性婚だったが故、その2人の間に生まれてきたのだから強い個性が引き継がれているだろうと誰もが勝手に期待していた。
だが結果はこれだ。
私には何も無くて、2つ下の妹には誰もが期待していた個性を持っていた。
「ちょっとー何で無視するの」
「何か反応ぐらい返しなさいよ」
「話しかけてるのに感じ悪いよねー」
誰も頼んでないし、そっちが勝手に話しかけて来ただけなのに。
嫌味を撒き散らしてる奴らにいちいち反応していたらキリがないのは分かってる。
無視してたらそいつらは他の子の所へ行ってくれた。そこでこそこそ私の悪口を言っているのが聞こえて来る。
ここにいたら面倒臭い、荷物を持って1人になれる場所を求めて教室を後にした。
───
─
結局、少し彷徨って辿り着いたのは昨日連れてこられた校舎裏。
ここならいいだろうと、裏口の階段に座って少し遅めの昼食を広げる。
『…いただきます』
バランス良く盛り付けられて、見栄えする様なお弁当。
好きな卵焼きが入ってて、たったそれだけの事だけど嬉しかった。
食べると美味しくて
味は甘くて…
妹が好む味だった。
『……』
蓋を開けた時何となく分かってた。
弁当の中身、全部妹の好きなものだって。
『…美味しい』
今更だから…気にしない。
妹のついでだとしても、食べ物は悪くないし残さず食べた。
少しだけ、鼻の奥が痛かった。
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とよ(プロフ) - 初コメ失礼します。尊い、、尊き、、なにこの幸せおしどり夫婦もう一緒抱きつき合って幸せになっていやがれ！！と心の周波数が乱れ、思わず叫んでしまいました。無理せず更新はいつでも気長に待ってます！この作品大好きです！あと相澤先生もす((((( (2023年3月2日 21時) (
レス) @page49 id: d1624c287f (このIDを非表示/違反報告)
シュリ(プロフ) - りゅうさん» りゅうさんお久しぶりです！この展開は前々から考えていたシナリオでした。読者の方々が望んでいた物語ではなかったかもしれませんが、もう少しだけ2人の話に付き合って頂けると幸いです。作品を読んでくださりありがとうございます！(*^^*) (2020年3月26日 20時) (レス) id: 6347914aa2 (このIDを非表示/違反報告)
シュリ(プロフ) - _Mikado_さん» _Mikado_さんコメントありがとうございます(*^^*)楽しみにして下さってありがとうございます！これからもよろしくお願いいたします！ (2020年3月26日 19時) (レス) id: 6347914aa2 (このIDを非表示/違反報告)
りゅう - こんばんは！最新話拝見致しました(涙)まさかと思いながら小説を読んでいて自分自身も悲しい思いでいっぱいです… (2020年3月26日 19時) (レス) id: 18e42f338b (このIDを非表示/違反報告)
_Mikado_(プロフ) - 続きたのしみです！更新頑張ってください！ (2020年3月26日 17時) (レス) id: f327cce89d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シュリ | 作成日時：2020年3月4日 1時
