でも幸せで※ ページ14
力の入らない身体が倒れそうになって、狙っていたかのように消太が抱きとめる。
肩で息をしている様な私に、優しく頭を撫でて額にキスを落とした。
そして軽々と私を抱き上げて歩き出す。
相「顔真っ赤」
『誰のせいか、知ってるくせに…』
相「まぁな」
行き着く先は2人の寝室。
薄暗い中、広いダブルベッドに降ろされると、背中にひんやりしたシーツの感触が当たる。
火照った身体を冷ましてくれないかなと頭の片隅で考えていると、すっとベッドに乗ってきた消太が私の上に跨る。
流れる髪をゴムで一纏めにして、括りきれてない前髪やニヤリと口角を上げて笑う顔。
私を見下ろす目には明確な欲が見えて
冷ます所か、熱が増して私の鼓動を早くするのには充分だった。
『…ずるい』
相「ふ、今更だろ」
きっと敵にも引けを取らないくらいの不敵な笑み。
でもそれが様になっていて…
ゆっくり私に覆い被さってくる。
相「くち…、開けて…」
指の腹が形をなぞりながら、自分から開けろと言う。
恥ずかしさが募るのに、身体はこれから与えられるものを知っている。
なけなしの理性を残して、薄く開ければその隙間に入り込む熱くて柔らかいもの。
『ん…っ』
相「…は、…ん…」
ギシ、とベッドの軋む音。
漏れる吐息や甘い声に、絡み付く感触。
求められる嬉しさと恥ずかしさに胸が締め付けられる様に苦しい。
苦しいのに止めてほしくなくて、縋るように消太の首に腕を回した。
『…、ぁ…ん…、』
相「っ…、はぁ…A…」
何度も深く絡んで吸い付いて、唇を離せば繋がった銀の糸がふつりと切れる。
熱い吐息を零しながら私を見下ろす消太の顔はいつにも増して色っぽくて、背筋や腰にゾクリと痺れが走った。
くらくら意識が混濁していく。
消太は触れるだけのキスを落として、私の服に手をかけた。
───
─
『…ねぇ、消太』
相「ん…?」
適度な疲労感と人肌を感じる腕の中で微睡む。
その間消太は私の髪に指を通したり巻きつけて弄って遊んでいて
頭を撫でたり、手を繋いだり、私に触れるこの手は、昔からずっと優しい。
『…私を救ってくれて、ありがとう…』
過去の事件も私自身も。
貴方に出会えて、よかった。
相「お安い御用だよ…」
『ふふ…』
私は、何度も救われて来た。
まだプロヒーローじゃなかった、貴方に
相澤消太という、1人の人間に。
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とよ(プロフ) - 初コメ失礼します。尊い、、尊き、、なにこの幸せおしどり夫婦もう一緒抱きつき合って幸せになっていやがれ!!と心の周波数が乱れ、思わず叫んでしまいました。無理せず更新はいつでも気長に待ってます!この作品大好きです!あと相澤先生もす((((( (2023年3月2日 21時) (レス) @page49 id: d1624c287f (このIDを非表示/違反報告)
シュリ(プロフ) - りゅうさん» りゅうさんお久しぶりです!この展開は前々から考えていたシナリオでした。読者の方々が望んでいた物語ではなかったかもしれませんが、もう少しだけ2人の話に付き合って頂けると幸いです。作品を読んでくださりありがとうございます!(*^^*) (2020年3月26日 20時) (レス) id: 6347914aa2 (このIDを非表示/違反報告)
シュリ(プロフ) - _Mikado_さん» _Mikado_さんコメントありがとうございます(*^^*)楽しみにして下さってありがとうございます!これからもよろしくお願いいたします! (2020年3月26日 19時) (レス) id: 6347914aa2 (このIDを非表示/違反報告)
りゅう - こんばんは!最新話拝見致しました(涙)まさかと思いながら小説を読んでいて自分自身も悲しい思いでいっぱいです… (2020年3月26日 19時) (レス) id: 18e42f338b (このIDを非表示/違反報告)
_Mikado_(プロフ) - 続きたのしみです!更新頑張ってください! (2020年3月26日 17時) (レス) id: f327cce89d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュリ | 作成日時:2020年3月4日 1時