【王様だーれだ?】[1] ページ40
「…ここに、たくさんの割り箸と高校生男女が揃っています。」
「うん。」
「そこで、出来ることはなんでしょう?ハイッ、罪沢さんッ!!」
「…」
珍しく真剣な表情で、割り箸を持ち、そう教師を真似たような口調で言う原くんが待っているであろう答えを察し、ガン無視する
「なんか答えてよ!」と叫ぶ原くんを見るみんなの視線を感じながらも、私は原くんの耳に口を寄せた
「あれっしょ?王様ゲームしようとしてんでしょ?考えてみなよ、あの悪童えげつない命令するよ…」
ヒソッとそう告げるが、「でもさー、面白そうじゃん?」と言って諦める素振りは見せない
そんな原くんに「命令でメニュー二倍とか言うかもよ。」と具体的な例を出すと、「ゲェッ、それは嫌だ!」と顔を青くし、すんなり諦めた原くんにホッと安心する
しかし、安心したのも束の間。誰かに後ろからポンッと肩を叩かれた
「んー?面白そうじゃねぇか。な?やろーぜ?王様ゲーム。」
「アッ…」
隣にいる原くんの肩にも手を置き、有無を言わせない威圧的な笑顔でそう言った真に逆らえる者など、果たしていただろうか
こうして、逆らえない悪童の悪ノリによって、王様ゲームは開始されたのであった
「王様だーれだっ!」
「おっ、俺だ。」
そう王様に名乗り出たのは、山崎くんだった
まぁ、山崎くんなら過激な命令もしないだろう…とみんなも思ったのか、何処かホッとした表情が顔に出る
期待通り、山崎くんは「2番と3番が握手。」と無難な命令を言ってくれた。一部からは「もっと面白いのやれよー!」と不満の声もあったが。
命令に応じた2番の瀬戸くんと3番の古橋くんが握手を交わしたところで、また棒をひくと
「あ、よっしゃァ!私だ!」
「面白いの頼むよ!」
「うん!そりゃもう自分に当たらないし容赦無く!」
そう張り切って言うと、「アッ、やっはお手柔らかに…」と原くんが自分にも当たることを思い出したのか、サッと表情を変え言う
しかし、私はそんな原くんの声を気にもとめず、命令を発した
「5番が女装!三年の女装喫茶の準備でメイド服あるし、知り合いから借りれるし!」
私がそう言うと、場は一度シーンと静まりかえったが、自分の番号を確認すると安心しきった顔で溜め息をついた
しかし、一人プルプルと小刻みに震え、顔を青くしたり赤くしたりする者がいた
「罪沢テメェ…」
そう私を極悪顔で睨み、恨めしそうに言う山崎くん。おぉ、怖い怖い
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KANA(♀)(プロフ) - 白(化け猫)さん» コメントありがとうございます!お気に召していただけて、嬉しいです。これまで、コメントしてくださり嬉しかったです!ありがとうございました! (2015年5月6日 20時) (レス) id: 976ac7df53 (このIDを非表示/違反報告)
白(化け猫)(プロフ) - お疲れ様でした!面白かったです! (2015年5月6日 18時) (レス) id: b17f2b3f84 (このIDを非表示/違反報告)
KANA(♀)(プロフ) - はきゅさん» コメントありがとうございます!貴方の思いやり溢れるコメントに、いつも励まされました。ここまで読んでくださり、本当に感謝しています!他の作品でも、自分のペースではありますが、頑張って更新しようと思います! (2015年5月6日 9時) (レス) id: 976ac7df53 (このIDを非表示/違反報告)
はきゅ(プロフ) - お疲れ様でした。これからも、無理はしないで他の作品でも頑張ってください。 (2015年5月5日 22時) (レス) id: cc6f053009 (このIDを非表示/違反報告)
KANA(♀)(プロフ) - すもももももももものうちさん» 辻さん出させていただきました!私も、ヤンデレッぷりというかメンヘラッぷり描くの楽しかったです!リクエストありがとうございました! (2015年2月22日 17時) (レス) id: d8c1d54596 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:KANA(♀) | 作成日時:2014年11月25日 22時