【取り合い】[2] ページ35
みんなが、やたら私にちょっかいをかけてきた理由にも納得するが、一つ引っ掛かる点があった
「ん?真、ウイスキーボンボン好きだっけ?」
「あ?好きじゃねぇよ。つか瀬戸、人の彼女酔わせようとしてんじゃねーよ。」
「はいはい、ごめんごめん。」
『彼女』という単語に、原くん達がヒュー!と言って茶化すが、真が睨み付けるとすぐに収まった
瀬戸くんと真のやりとりに、「?」とハテナマークを頭に浮かべる
しかし、また一つ増えた私の髪を触る感触が増えたため、私の関心はそちらへ動いた
「え、何か増えてない?」
「あっ罪沢、頭動かすな。」
「ごめん…?」
結局、古橋くんの注意で後ろを向けず、私の髪を編んでいる人物も分からないまま、あまった時間を潰すため適当に駄弁っていた
すると瀬戸くんが腰を浮かせ、私の前に座ったと思えば、何故か化粧品具を片手に腕を捲る
「暇だし、罪沢でメイクしようかな。」
「ははっ、みんな私を着飾るの好きだなー。てかなんでメイク道具持ってんの?そういう趣味なの?」
「違う。懸賞で当たっただけ。」
「…へぇ。」
「本当だから、その目ヤメテ。」
そうからかうと、少し力を入れた手でグッと頭を押さえるつけられる。めっちゃ痛い
じゃあ目閉じてーと、瀬戸くんの声を合図に、ボサッとした髪に隠れた意外と大人っぽい顔が近付くと
「…チッ」
「いだだだだ、いっだい!なに!?」
「おい、A。どうせ瀬戸が化粧のやり方なんて知らねーだろうし、青いアイシャドウでアバターにされるだけだぞ。」
「うわっ、それはヤダ!」
私の髪が強引に引っ張られたと思えば、真が私の髪を引っ張りながらそう忠告した。どうやら、古橋くん以外に一人私の髪を触っていたのは真だったらしい
遠慮しとく!と、首を振りながら瀬戸くんに言うと、瀬戸くんはそれほどしたくなかったのか、ふーんとあっさり諦めた
「……やっぱり、花宮はしぶといか…」
「…バァカ。俺から取ろうなんて無理な話に決まってんだろ。」
意味ありげに、そう笑みを浮かべる瀬戸くんを、真もそれに妖しく笑みを浮かべながら返す
少し前から、瀬戸くんと真の会話の意味が分からない私はコソコソと山崎くん問うが、「知らなくていいんだよ。」と言われるだけだった
****
一応、瀬戸くんと花宮さんが夢主さんを取り合い…!となっております
瀬戸くんの恋心があまり表せていないと思われますが、少しでも気に入っていただければ嬉しいです
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KANA(♀)(プロフ) - 白(化け猫)さん» コメントありがとうございます!お気に召していただけて、嬉しいです。これまで、コメントしてくださり嬉しかったです!ありがとうございました! (2015年5月6日 20時) (レス) id: 976ac7df53 (このIDを非表示/違反報告)
白(化け猫)(プロフ) - お疲れ様でした!面白かったです! (2015年5月6日 18時) (レス) id: b17f2b3f84 (このIDを非表示/違反報告)
KANA(♀)(プロフ) - はきゅさん» コメントありがとうございます!貴方の思いやり溢れるコメントに、いつも励まされました。ここまで読んでくださり、本当に感謝しています!他の作品でも、自分のペースではありますが、頑張って更新しようと思います! (2015年5月6日 9時) (レス) id: 976ac7df53 (このIDを非表示/違反報告)
はきゅ(プロフ) - お疲れ様でした。これからも、無理はしないで他の作品でも頑張ってください。 (2015年5月5日 22時) (レス) id: cc6f053009 (このIDを非表示/違反報告)
KANA(♀)(プロフ) - すもももももももものうちさん» 辻さん出させていただきました!私も、ヤンデレッぷりというかメンヘラッぷり描くの楽しかったです!リクエストありがとうございました! (2015年2月22日 17時) (レス) id: d8c1d54596 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:KANA(♀) | 作成日時:2014年11月25日 22時