【風邪と珈琲が繋いだ出会い】[1] ページ15
一人スポーツショップ店で、私は部費で必要なものを一人で買う
本当なら、真と二人で行く筈だったのだ、所謂デートというものに入る華やかな買い物を!
しかし、今はどうだろう。一人で、ボッチで、色気もないスポーツショップで買い物をしているのだ
何故こんなことをしているのかと思い出せば、時間は約一時間前に遡る
*****
「…で、風邪引いたんだ?」
「あぁ…」
電話越しに聞く真の掠れた声。咳が会話を邪魔して、途切れ途切れになっている
痛々しい咳の音を聞くたびに、看病したくなるが今日はそういうわけにもいかない
買い揃えないといけない部活の救急箱の中身などを今日は買うつもりだったのだ。
だから俺の看病はしなくていいから、せめて買ってきてくれないかと言われてしまった
そんな掠れた声で、熱のせいか弱々しい声色で言われてしまえば面倒くさくても断れないだろ!とあっさり私は了承した
******
「(テーピングってどこに売ってるものなんだろ…)」
一番消費量が多かったテーピングを、店内を歩き回りながら探す。
スポーツ店にあまり行かない、というか行く必要がない私にはテーピングを探すにも一苦労なんだよ、原くん
…元々、攻撃がラフプレーほとんどな霧崎第一は
勿論怪我するものも普通のバスケ部より多く、テーピングも消費量が多かった
しかし、今回は別だ。原くんがテーピングを山崎くんに巻き付けて「ミイラ〜」などとしなければ、私は店内をうろつかず済んだのだ
店員さんから万引きの疑いをかけられてるほどに、必要以上に店内を廻ってやっと見つけたテーピング
取扱書に『ミイラ禁止』と書いて欲しい、とお客様の声の紙に書いてテーピングを買ってスポーツショップを後にした
*******
やっと帰れる!と最初よりどこか軽快な足取りで都会の真ん中を歩いていると
___バシャッ
思わず、えっと声を漏らす。ふと下を見ると、茶色のシミが出来た私の服と、香ばしい珈琲の香り
じわじわと服を通してヒンヤリと伝わる液体は、やがて大きなシミを広げていた
ていうか私やたらと飲み物かけられること多くない!?と小さな怒りを現し、珈琲をかけた人物がいるであろう、後ろへと勢いよく振り向いた先には
「あ〜すいません!ワシが周り見てなかったもんで…」
大袈裟に慌てた様子、でもメガネの奥の糸目はいつものままで申し訳なさそうに立っている、今吉さんがいた
[クリスマス番外編]【恋人達の請夜】→←【霧崎第一バスケ部達と罪沢さんが○○したようです】[7]
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KANA(♀)(プロフ) - 白(化け猫)さん» コメントありがとうございます!お気に召していただけて、嬉しいです。これまで、コメントしてくださり嬉しかったです!ありがとうございました! (2015年5月6日 20時) (レス) id: 976ac7df53 (このIDを非表示/違反報告)
白(化け猫)(プロフ) - お疲れ様でした!面白かったです! (2015年5月6日 18時) (レス) id: b17f2b3f84 (このIDを非表示/違反報告)
KANA(♀)(プロフ) - はきゅさん» コメントありがとうございます!貴方の思いやり溢れるコメントに、いつも励まされました。ここまで読んでくださり、本当に感謝しています!他の作品でも、自分のペースではありますが、頑張って更新しようと思います! (2015年5月6日 9時) (レス) id: 976ac7df53 (このIDを非表示/違反報告)
はきゅ(プロフ) - お疲れ様でした。これからも、無理はしないで他の作品でも頑張ってください。 (2015年5月5日 22時) (レス) id: cc6f053009 (このIDを非表示/違反報告)
KANA(♀)(プロフ) - すもももももももものうちさん» 辻さん出させていただきました!私も、ヤンデレッぷりというかメンヘラッぷり描くの楽しかったです!リクエストありがとうございました! (2015年2月22日 17時) (レス) id: d8c1d54596 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:KANA(♀) | 作成日時:2014年11月25日 22時