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Ep.8 ページ8

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パートナーの顔をデッサンする、というこの授業。

なんという神授業なんだ。






いつも盗み見るようにしてコソコソと彼女のことを見ていたが

今なら堂々と見ることができる。

変態みたいだけど、彼女の顔は、彫刻のように綺麗で、一つの作品みたいで、本当に見てて飽きないのだ。






柔らかそうな頬や

目の下にあるホクロ

カール下まつげ

口元のちょっとした動き






本当に人形なのかと疑ってしまうほど

リアルで、綺麗。







真剣に彼女の顔をデッサンしていると

テヒョナが消しゴムを投げてちょっかいを出してきた。

集中していたところに、こうしたくだらないちょっかいを出されるとすごくイラっとする。






「なんだよ、ちょっかいやめろよ」

「そんな怒るなって」

「お前はちゃんと授業受けろ」

「てかジミナさぁ、いつ誘うの?お昼ご飯一緒に食べようって」

「…」

「まさか忘れてたとは言わせねえよ?」






そうだ。

忘れてた。

俺はAちゃんに近づくために、まず、お昼ご飯一緒に食べようって誘うんだった。






「わ、忘れてねえよ。今から言うし!」

「ふーん?」

「本当だからな!」






そう言い切ったあと、

テヒョナが俺をバカにしたような顔で見てきたからムカついて

カチンときた俺は勢いのまま、Aちゃんに声をかけた。







「あの、Aちゃん!!」

『…?』

「その、今日とかさ、お弁当、一緒に食べない?」

『…』






必死な俺の表情とは真逆に冷静な彼女。

変な沈黙がしばらく続く。







『いや、お断りします』







それだけ淡白に答えたのち

彼女はまたデッサンを続けた。







「…え?」






あれ、もしかして断られた?

はっきり言われたよね?

お断りしますって。







「ぶっ!!」







背後でテヒョナが豪快に吹き出したのが分かった。

途端に恥ずかしくなって顔を伏せた。







「ジミナ、どんまい」






小声でそう言われた。







嘘だろ…

デートに誘ったわけじゃないのにこんなにアッサリ断られてしまうなんて

鉄壁すぎ。

高嶺の花すぎ。






美女とそう簡単に仲良くなれるわけがない、と思い知らされ

大人しく、デッサンすることに集中した。






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設定タグ:BTS , 防弾少年団 , ジミン   
作品ジャンル:恋愛
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ニンニク - めいさん» 分かります、、ジミンちゃんがどうなったのかも気になりますし、、、 (2020年5月17日 13時) (レス) id: c0f99f9f3e (このIDを非表示/違反報告)
めい - これで終わりですか!? とても面白いので続きが読みたいのですが… もう続きはないですか??? (2018年11月18日 19時) (レス) id: 606c404ed9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あゆた | 作成日時:2018年4月28日 22時

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