Ep.22 YOUside ページ22
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それから、私は動くことを極力控えた。
体だけでなく、表情も動かさなかった。
たったそれだけのことなのに
叔母さんが私に火のついたタバコを投げることも
髪を鷲掴みにして壁に叩きつけることも
外に何時間も放っておくことも
全て、嘘のようになくなった。
それどころか、仕事帰りにお弁当やデザートを私に食べさせるために買ってくるようになった。
私に食べさせるため、だ。
壁に寄りかかって呼吸をしていたとき
目の前にコンビニの袋を置かれた日は驚いた。
「子供の好きなモンなんて分かんねえけど」
おじさんが渡してきたのかと思ったが
叔母さんが私のために買ってきた食料だった。
恐る恐る袋に手を伸ばし、中を確認すると
お弁当と、プリンと、オレンジジュースが入っていた。
「お前最近、いい子にしてるからさ」
タバコを吸いながら、ふっと笑った叔母さん。
笑顔なんて、初めて見た。
今まで鬼のような顔しか見たことがなかったから。
本当は目の前にある食料に貪りつきたかったけど
そんな行動は人形らしくない、と思い
一つずつ丁寧に積み上げ、少しずつ口に運んだ。
お弁当に入っていた揚げ物の油が身に染みる。
脂質がこんなに美味しいことを初めて知った。
腐る前の普通のお弁当を食べたのは初めてだった。
側から見れば、食事をしているだけだ。
ただ、それだけなのに私はこのとき世界で一番幸せなんじゃないか、と思った。
それくらい、嬉しかった。
嬉しい感情を必死に隠して
顔の筋力をなるべく最小限に抑えながらする食事は少し大変だったけど
私は与えられたものをしっかりと完食をした。
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ニンニク - めいさん» 分かります、、ジミンちゃんがどうなったのかも気になりますし、、、 (2020年5月17日 13時) (レス) id: c0f99f9f3e (このIDを非表示/違反報告)
めい - これで終わりですか!? とても面白いので続きが読みたいのですが… もう続きはないですか??? (2018年11月18日 19時) (レス) id: 606c404ed9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あゆた | 作成日時:2018年4月28日 22時