Ep.21 YOUside ページ21
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玄関の前でうずくまっていると
目の前に、丁寧に磨かれた革靴を履いた男性が私を見下ろしていた。
「A…?」
その人の表情は、呆れたような、心配したような、同情したような複雑な表情だった。
「またアイツが何かしたんだね。おじさん何もできなくてごめんね。お腹すいてない?」
「…さっきパン食べた」
「それだけじゃ足りないでしょ。これ食べな、全部あげるから」
袋からおもむろに取り出したのは、すべてコンビニで購入できるような粗品だ。
私がこういう状況に置かれてるだろうと予知してあらかじめ用意したようにも思える。
「ありがとう」
礼を言うと、おじさんは嬉しそうに微笑んだあと、誰かに電話をかけた。
電話の相手はきっと叔母さんだろう。
「もう着いたよ」
そう一言だけ残し、電話を切った。
おじさんと呼んでいるが、実際の年齢は20代。
私と10歳も変わらないくらい若い。
叔母さんの恋人なのか、足なのかは分からないが、よく家に来る優しい人だ。
ガチャとドアが開く音がし、後ろを振り返ると
化粧をして小綺麗な格好をした叔母さんが玄関で靴を履いていた
全身鏡で自分の姿を確認して
私の方なんか見向きもせず、なにも言わずに家を出て行った。
入れ違いで、5時間ぶりに家の中に入った。
どこに何をしに行ったのかなんて説明されないでも理解している。
今、家の中には私一人だ。
一人。
この状況がどんなに幸せか、私以外わかる人などいないだろう。
問題は、家に叔母さんがいるときに
どれだけ快適に過ごすか。
"日本の研究者が、ドールの完成に成功しました__"
テレビから聞こえてきた言葉。
テレビに視線を移すと、画面にはまるで人間のように呼吸をする人形の姿が映し出されていた。
あまりにも美しいその姿に、私は一瞬で釘告げになった。
"それでは、起こしてみましょうか__"
研究者が人形の体を揺さぶった。
ゆっくりと目を開けた人形は、やがて、カメラの方に視線を向けた。
私は仕留められたように、テレビの前から動けなくなった。
この時、私はあることを心に決めた。
この家で生きていく上で
快適に過ごす方法…。
「わたしが…人形になればいいのか……」
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ニンニク - めいさん» 分かります、、ジミンちゃんがどうなったのかも気になりますし、、、 (2020年5月17日 13時) (レス) id: c0f99f9f3e (このIDを非表示/違反報告)
めい - これで終わりですか!? とても面白いので続きが読みたいのですが… もう続きはないですか??? (2018年11月18日 19時) (レス) id: 606c404ed9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あゆた | 作成日時:2018年4月28日 22時