検索窓
今日:2 hit、昨日:8 hit、合計:26,934 hit

Ep.3 ページ3

.





ホームルームが終わるとテヒョンが手招きをして急かすように俺を呼んだ。






「一目惚れってガチ?」






テヒョナは俺を馬鹿にするような口調で言う。

なんだよ、悪いか。

お前だってクラスメイトを可愛いって言ってたくせに。





「どの子なの!どの子なの!」






雪を見た犬のようにはしゃぐテヒョナに

もう少し声のボリュームを下げるように言った。






「俺のこと面白がってんだろ?」

「面白がってない!あ、ジミナ見て、あの子!俺が可愛いって言った子!」






テヒョナの視線の先には

栗毛色でゆるふわの髪の毛がよく似合う背の小さな女の子がいた。






確かに男子ウケは良さそうだけど…

ぶっちゃけ、俺の隣の席の…Aちゃんの方が可愛い。比べ物にならないくらい。






「可愛くない!?」

「んー、うん」

「なにその微妙な反応」

「俺はAちゃんの方が断然可愛いと思う」

「Aちゃん…?あー、ジミナの一目惚れの?」

「うん、そう」






改めて口に出すと急に恥ずかしくなる。





テヒョナはズケズケと質問してくるから

正直答えるのが恥ずかしい、やめてほしい。






「Aちゃんってどんな子なの?」

「どんな子ってほどまだ知らないけど、見た目がお人形さんみたいで、人間離れした顔立ちしてる」

「人間離れ…すげえ。てか、人形って言えばさ、今日ついに人形に人権が与えられたの知ってる?俺びっくりした!」

「知ってるよ。どこも大ニュースじゃん」

「人形はうちの学校にもいるから、他人事にできないよ」

「そうだね、まあ、その人形が誰なのか名前も顔も知らないけど。」






AIが人間を越すと言われて数年が経ち、ある年に日本の研究者が一人の人形を完成させた。

人形に人間の記憶を入れ、肉体も人間そのもの、人間と変わりない人形を作る。

人形には魂が宿ると言われているが、人類はついにそれを形にしてしまったのだ。





難しすぎて、俺には理解できない話だけど。






「で、そのAちゃんはどの子?」

「えっとね…あの子」






探さなくてもすぐに見つかった。

自分の席で静かに読書をするあの子。

横顔が、本当に綺麗だ。






「たしかに、すごい可愛い」

「でしょ!」

「可愛いけど…」






何か言いたげな顔をしながら無言で俺を見つめるテヒョナ。

なに?と聞くと、テヒョナはゆっくりと口を開いた。





「ジミナ、あの子、人形だよ」






.

Ep.4→←Ep.2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (35 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
168人がお気に入り
設定タグ:BTS , 防弾少年団 , ジミン   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ニンニク - めいさん» 分かります、、ジミンちゃんがどうなったのかも気になりますし、、、 (2020年5月17日 13時) (レス) id: c0f99f9f3e (このIDを非表示/違反報告)
めい - これで終わりですか!? とても面白いので続きが読みたいのですが… もう続きはないですか??? (2018年11月18日 19時) (レス) id: 606c404ed9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あゆた | 作成日時:2018年4月28日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。