僕は、人形に恋をした。

Ep.19 ページ19

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放課後。

部活の休憩中に話す話題が、家族の話になっていた。







「ジミニヒョンって兄弟何人？」

「俺は、弟が一人」

「え、長男ですか？全然見えない」

「お前失礼な奴だなー(笑)」







前に一度、ジョングクと喧嘩したが

あれ以来、なんだかんだ仲良くやっている。






「ジョングギは？」

「俺は兄が一人いて、次の日曜に、生き別れた姉と会うんですよね」

「生き別れ？」

「血もちゃんと繋がってて、ちゃんとした兄弟なんですけど、事情があってずっと離れて暮らしてたんですよ」

「なんかごめん…複雑なこと聞いて」






俺がわかりやすく落ち込むと

全然大丈夫ですよ、と笑いながら言われた。





「日曜はいつもオフだから昼までダラダラ寝て過ごしてるのに、1時から会うらしくて」

「昼まで寝れねえじゃん」

「俺の貴重な週末返せって話ですよ」






貴重な週末を返せと言ったジョングクに

俺も本来なら、今週の日曜のお昼頃はAちゃんとパンケーキに行くつもりだったのに

日曜は忙しいと言って断られた。






たしか、彼女も1時から家族と予定があるとか言ってたっけ。

1時から。

1時…から…？






「なあ、ジョングク。お前がお姉さんと会うのって、1時からって言った？」

「言いましたよ」

「…そっか」

「なんでですか？」

「いや、なんとなく」






俺はどうしても頭に引っかかった。

日曜日は1時から家族と予定があると言ったAちゃんの言葉。

次の日曜に1時から生き別れた姉と会うと言ったジョングクの言葉。






もしも、お互いのことを話しているとしたら

Aちゃんとジョングクは兄弟と言うことになる。






まさか、偶然だとは思うけど。






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