屠所の羊 Ep.12 ページ33
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コーヒーを一口飲む彼。
こうやって見ると、他のお客さんとなんら変わりない
普通の人 だ。
「これAが淹れた？」
『うん』
「美味しいね。コーヒーはあんま飲まないけど」
なんでそんなに普通なの…？
「また来たいけど、Aにこき使わせてると思うと嫌だな(笑)」
急にイラつき始めたり
別人のように殺気づいた表情を見せたり
かと思えば、可愛い笑顔を見せたり。
本当に調子狂う。
一体、ホソクはなにがしたいの？
「そろそろ帰るわ、俺」
『あ、うん』
あまりにも"普通"の対応に体が反応しきれなかった。
しかし、よく考えれば、これが普通なのだ。
何も悩む必要はない。
私も今まで通り普通にすればいいのだ。
『レシートいる？』
「ううん、いいや！じゃあね、ご馳走様」
そうだよ。
ホソクは何も悪くない。
彼が怪我をした理由も、連絡先が消えてた理由も、全部私の勝手な想像で言いがかりだったのだ。
彼は、ただの幼馴染なのに。
何を怯えてたんだろう。
「ちょっとだけ体調良くなりました？」
レジに立つ私に顔を覗き込むジョングク君。
『うん…もう上がりなのに、今更体調良くなっちゃってなんかやだね』
「体調良くなったならそれで安心ですよ」
『そうだね』
「話変わりますけど、さっきの幼馴染さんのこと好きなんですか？」
『え…ええ！？』
「あれ、違いました？」
少し戸惑うような顔をして談笑する彼
「なんだー。勘は良い方なのに。すごいジーッと見てたから、そうなのかなって思っちゃいました。」
ああ、なんだ、そういうことか。
ホソクの顔色を伺うために見つめていたのを
好きだから見つめていたと勘違いしたのか。
そんなことを考えていると、あがりの時間になっていた。
まだ残っている人に軽くお辞儀をして、早いとこ帰ろうと帰りの支度を進めた。
「俺も上がりなんですけど、一緒に帰りませんか？」
事務所に戻ると、同じ時間に上がったジョングク君にそう声をかけられた。
「ヌナ、今日一日中体調良くなかったから心配だし…」
”一緒に帰りませんか＿＿＿＿＿"
”僕が家まで送りましょうか＿＿＿＿＿”
いつかジミンの言った言葉と
今のジョングク君の言葉が重なる。
急に背中にゾワッと寒気がし、
今から良からぬことが起きてしまう気がして
断ろう、と心に決めた。
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綺螺 - ﾘｱﾙ･ﾆﾅｲﾀ･ﾐﾀｲﾃﾞｽ (2020年3月9日 4時) (
レス) id: 63cd4095fc (このIDを非表示/違反報告)
ぴょんてユラちゃん - 怖いけど泣けますね(・∀・) (2018年7月23日 18時) (レス) id: 1ab187734f (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 怖かったけど、面白いのでついつい先読みしたくなっちゃいました笑笑 (2018年4月7日 11時) (レス) id: 6ed9e5bdcb (このIDを非表示/違反報告)
くろぷけ(プロフ) - 初めまして!!!本当に愛が深くそれと同時に闇の深さを味わえる作品でした!!!衝撃的な部分ばかりで正直夜中に見るべきものじゃなかったですwwあまりの衝撃に「えぐ...」と声に出してしまいましたが、とても面白かったです!!!!!!(＾ω＾ (2018年3月31日 23時) (レス) id: d5c421cc77 (このIDを非表示/違反報告)
あゆた(プロフ) - リソヌさん» 初めまして！そういった感想をいただけて嬉しい限りです｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡ 番外編もいつか投稿しようと考えていたところだったので、もし書ければ投稿しようと思います＾＾ (2018年3月17日 16時) (レス) id: 7bc4b60aae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あゆた
| 作成日時：2018年3月11日 21時
