[バンタン狂愛短編集]

ただいま、Ep.2 ページ3

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「で、お前誰」





私の後をすぐ追いかけて来たのであろう私を襲った男の一人にテヒョンが低い声で問いかける

その声のトーンと雰囲気に

そいつは少しビビった様子だったけど、なぜかすぐにブハッと吹き出した






「俺？俺はキムジウォン、てかなんか怒ってるみたいだけどなんか勘違いしてない？(笑)」





そうヘラヘラ話す男のところに彼が歩み寄った瞬間

悲鳴と、彼の拳についた赤い液体が見えた






『……っ…！』







床に倒れる男の胸ぐらを掴み、一言放った









「お前のソレ、使いもんにならねえようにしてやるよ」









殴られ、倒れ込んだそいつの髪を掴み

さっさと立て、と言った。

その声は殺気に包まれていて

私は、この後とんでもないことが起きると悟った。







人気の全くないところにそいつを投げ捨てると






「何をしたか事細かくすべて言え。一つ言うたびに拳一つ入れる」

相手の目がカッと開いた瞬間、もう一度、いや、二度も三度も殴った





「さっさと言えよ。早く。」






今、目の間で行われてることに、思わず声を失った。





男は、血まみれの顔で唇を震わせながら話し出した。






「かっ、…彼女の脚に、ふ、触れまし…た…」

「何言ってるか聞こえねえよ。もっとでかい声で言 え」

「彼女の脚に、触れまし……うが…っ…！！！やめ、！すまな…っ…すまなかっ…！！！」





叫ぼうと、もがこうと、お構い無しにテヒョンは男を殴り続けた

怒り狂いながらではなく、冷静に。

彼は至って冷静だった。
まるで、ハエを潰すみたいな感覚で殴り続けた。





止めないと、そう思っても体が強張って動かない。

そんな時、偶然か彼の殴る拳が止まった。





「A、ほかに何された？」






振り返り、私を見つめる彼。

人を殴ってるとは思えない、鼻歌でも歌いだしそうなほど、穏やかな口調。




脅されたこと

手足を抑えられたこと

無理矢理口に入れられたこと

下着を破り、無理矢理乱暴されたこと…




震えながらも彼の問いに答えた。






私の言葉を聞いた瞬間

テヒョンは男の頭を壁に打ち付けた。









「だから、俺だけじゃ…っ…、ぐ…っ……！」









また血が飛ぶ









「黙れ」









今までに聞いたことないくらい冷たい声でそう言い

殴り続けた






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