day4 part2 ページ7
「で、アイト。
あんた武器持ってるのよね?」
「武器…?」
武器と言われても、そんな力は
俺にはないはず……
「何よ、ちゃんとあるじゃない。
ふーん、アローねぇ……。」
「え、何これ。」
気が付くと、手の中には
大きな弓が納められていた。
「これが俺の武器……。」
いや待てよ、矢がない。
しかも、弦もないし……。
「ちょっと、そのアロー。
一体どうやって打つのよ。え?」
ラクシーヌもそれに気付いたようで、
怒り口調で俺に問い詰める。
「そんな事言われても……
あっ、何かいますよ。」
真っ黒い小さな『何か』達が
俺とラクシーヌを囲む。
「ほら、アイト。これはハートレス。
さっさとそのアローで倒しなさいよ。」
無茶にも程があるが、
今はそんな事言ってる場合じゃない。
俺は無言で頷き、ハートレスに
意識を集中させる。
すると、ピン。と何かが張る音が。
弓を見ると、光った弦が
いつの間にかご丁寧に付いていた。
矢もないが、試しに俺は
光る弦を思いっきり引いてみる。
しゅん、と矢が手に現れて
そのまま矢を放った。
「アイト、あんたやるじゃない。」
初めて、機関のメンバーに誉められた。
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作者名:しゅうきち | 作成日時:2019年8月13日 18時