マクガフィン ybin ページ3
Side いのお
片付いた俺とお前の部屋に独りぼっちで
わだかまりを繰り返してほつれた糸を手繰り寄せる。
6月22日になった瞬間に明るくなったスマホ
その中の幸せそうな俺たちを薄目で見てみた。
いつも俺はいたずらにウソをついてみたりしてたのに、
なんかお前だけどんどん離れていって
俺だけがいつまでも子供のまま変われないで、、、
お前が教えてくれたこの想いをしっかり伝えたのに
恋の魔法が消えるまで引き出しにしまっておけよ
ってなんだよ
今までこんなこと言ったことなかったくせに、
手紙で書くなんてずりぃじゃねぇか。
もし今願いが叶うならあの時まで戻りたいよ。
そんな俺のこともお前は気づいてたんだろうな。
お前は最期まで泣きじゃくってる俺の頭を撫でながら笑いやがって。
そんなお前にイライラして何度も強く当たっちゃったの
今でも後悔してる。
本当に物語のようにお前の余命が言い渡されて
あっけない結末に飲まれてって
あの時はまだ半年あったのにお前のこと守ってやれなかったな。
でも、お前を守ってやれなくてもさ
俺にはやることがあるのに気付いたんだよ。
今は俺らしくないけどこんなに泣いちゃって、
でもさ、また活気付いた息吹に戻ったら
未来に頑張って歩み出すからさ、
その時はお前がちゃんと鐘の音を鳴らしてくれよ?
じゃないと、俺
お前が残してくれた言葉を伝えていくことができなくなっちゃうから。
俺は未来に向けて頑張るよ
そしたらお前は最期の最期まで泣きながら笑ってくれんだろ?
はは、薮のくせに俺を手紙で泣かすなんてやるじゃねぇか。
________お前はひとりなんかじゃないから、大丈夫
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作者名:お米のサンバ | 作成日時:2019年1月8日 11時