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seventeen ページ17
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「…紫耀くんてずるいよね。」
「どこが？」
「そういうところ。」
「…ああ。好きな子、だけだよ。」
そのまっすぐで、透明な瞳に見つめられるとなにも言えなくなる。
恥ずかしくて、胸の奥がムズムズする。
恥ずかしげもなく、そんなことを言える彼はどこまでもずるいと思う。
私ばかりがその言動に、瞳に振り回されて。
自分が自分じゃないみたいだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それから待ち合わせ場所の喫茶店を出て
私の運転で田舎の町から、さらに田舎の方へ移動した。
「俺が運転する！」と紫耀くんは言ったけど
こんなところ誰かに見られたら困るから、とおとなしく後部座席に居てもらった。
紫耀くんが運転するような立派な車ではないし、私の運転も人に比べたら劣る方だけどリスクを考慮した。
説得しきった時の彼の悲しそうな顔を見たときは申し訳なくなったけど、仕方のないことだ。
「Aちゃーん。」
後部座席から、紫耀くんのすねたような声が聞こえる。
「どうしたの？」
「次のパーキングで、ソフトクリーム、食べたい。」
ミラー越しに彼をみると、いつものように真っ直ぐな瞳でこちらを見ていた。
私は彼のこの瞳に弱いらしい。
「いいよ。」
そう言うと、紫耀くんは綻んだように笑った。
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作者名：Rica | 作成日時：2018年12月13日 12時
