愛は罪深い.2

sin.49 ページ7

拷問室の扉を開けると血の匂いがした。
そんな部屋にはシノアが椅子に括り付けられている。
真昼と同じ髪色に、大人びた瞳を持つ少女。

シノアの両手両足の指先からは血が流れている。
爪がはがされているのだ。顔にも痣がある。

その様子にグレンは顔を顰めた。

「なんの真似だ」
「単刀直入に聞く、お前は裏切り者か？」

冷たい目でグレンを見る暮人。
拷問されているシノアは笑顔のままだ。


「いいや。裏切るだけの力が、一瀬にはない。それに、裏切ったところでお前らは痛くも痒くもない」「そうだ。お前が裏切ったところで、殺せばいい話だ。よし。その言葉は信じよう。だが真昼の裏切りについて、お前は知っていた」
「いいや」


グレンの暮人による尋問が始まった。
昨日の件でもうAが真昼と接触したことを暮人は知っている。
すると暮人は続ける。


「昨日柊シノアの処刑を宣言した。百夜教にも伝え、柊の動向を探っている者ならわかる方法で、処刑を宣言した。」


真昼をおびき寄せるために。
だが、頭のいい真昼ならシノアを殺さない事を分かっているのでは？と思ってしまう。

そして暮人のメールには“柊真昼“から『どうぞお好きに』というメッセージ。
シノアの瞳が悲しく揺れた。

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