愛は罪深い.2

sin.47 ページ5

あの一件からAは学校に来るものの教室には一切現れなくなった。
三宮と同じく生徒会室にいるようだ。
しかしそんな彼女が教室へ現れた。


『一瀬グレン。柊暮人様がお呼びです』
「....今行きます」


“柊暮人“その単語だけでも皆が息を飲むのが分かる。


「Aちゃん」
『何ですか？』
「君は何を望むの？」


グレンと共に教室を後にしようとしたAに深夜は話しかけた。
深夜の問いかけに背中を向けたままAはいう。


『暮人の願いが私の望み』
「....変わったね、Aちゃん」
『深夜は全く変わってないわね』


そう言って教室の扉を閉めた。
そしてAのその背中を美十は複雑な気持ちで見届けた。


体育館の地下までAはグレンを連れていく。
その途中グレンが言う。


「お偉い柊様は教室に来なくても評価が貰えるんだな」
『そうね』
「....一体何があった」


Aの腕をグレンが掴む。
彼女をこうした原因はなにかと。


『私、前に貴方に質問しましたよね？』
「....恋人を選んだってか？」
『それはどうなんでしょう。何か私ももう分からないから』


曖昧に答えたAに真昼を錯覚するグレン。
本当に真昼とAの考えていることは分からない。

sin.48→←sin.46

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す