愛は罪深い.2

sin.46 ページ4

＿＿＿＿もっと欲に従順になるべきだ


誰も居ない教室で自分の脳内へ鬼が語りかける。


＿＿＿＿美十や五士、深夜、真昼を殺してグレンも殺せば君は強さを手に入れられる。

『うるさいっ』


Aは可笑しくなりそうだった。
頭を抑え床へへたり込む。


＿＿＿＿何を躊躇う？ああ、暮人を殺ろう。それでどう？



『黙ってｯ!!』
「Aどうした」
『っ....暮人』


教室の扉には暮人が立っていた。
いつまでも来ないAに痺れを切らした暮人が探しに来たのだ。


その間も鬼はAに話しかける。
そしていつもと様子の違うAに暮人は違和感を感じた。


『あ“....っ』
「A....」


胸を抑えて苦しみ始めたAに暮人は駆け寄った。
そして顎を掴み無理やり自分の方へと顔を向けさせると息を飲んだ。


「....その目....真昼と会ったのか？何をされた」
『見ないで....っ今貴方を見るとおかしくなる....っ』



赤くなった瞳を見て暮人は真昼が絡んでる事を察知した。
そしてAの腰にある刀。
鬼呪装備....禁忌を真昼は犯している。


鬼に取り憑かれそうなAは無意識に刀へと手がいっていた。
しかし理性を必死に戻して左手を右手で一生懸命に抑えていた。


そしてそんなAの手を暮人は優しく握った。


「何をすればお前は辛くなくなる」
『抱いて....』
「！」


暮人は目を見開いた。
涙を流しながら苦しげに自分を抱けと言うA。



『暮人が欲しいのっ....私には暮人しかいないのっ』
「....後には戻れないからな」


その日、初めてAと暮人は1つになった。

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