愛は罪深い.2

sin.45 ページ3

今日の第一渋谷高校は何かと騒がしかった。
それもそのはず。
しばらく登校していなかった噂の人物がやって来たのだから。


Aは近く姿を現していない間に更に美しくなっていた。
伸びた漆黒の髪に白い肌。薄づきの唇。
全てを見据えてるかのような瞳。


周りの視線には目もくれず彼女は教室の扉を開けた。
すると目に入ったのはこちらを驚いた顔で見てくるグレンと深夜、そして美十と五士だった。


「し、心配しておりましたA様っ....」


Aの姿を確認した美十は泣き出した。
しかしいつもの様に彼女を慰めたりしないA。
そんなAをグレンと深夜は不審に思った。


『美十。もう貴女は私の従者ではないわ』
「え....、、何を仰って....」
『私はもう二医ではないの。当主は弟になりました』


争いの中、当主....お父様は柊家に殺された。
既に戦争は始まっているのだ。


「随分変わったな」
『お陰様で....貴方達でチームを組んだそうじゃない』
「Aちゃんが居ない間に結構仲良くなったんだよ僕ら」
『お仲間ごっこ？お熱いわね』


Aの皮肉った言葉に五士が反応してしまう。



「A様、なんか様子がおかしいですよ」
『あら。私はいつも道理よ。それに私は一瀬の監視からは下りたから関わる必要もないの』
「ﾊ、随分と冷たい奴だな」


自分たちを突き放したAを美十は悲しそうな顔で見つめていた。
そんな美十に気付いたAだが見て見ぬふりをした。

大切な者を増やして苦しむのは自分だがら。

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