愛は罪深い.2

sin.58 ページ16

呪詛を唱える深夜に襲いかかろうとするグレン。
しかし、美十と五士がそれを阻止する。


「させないぞ。お前がそんなことをしたくないことは、俺たちがよくわかってる」
「今度は、今度こそは、私たちが貴方を救います!」


仲間たちの言葉。
それに鬼は笑う。
そして金属の甲高い音が響いた。

それでもまだ、グレンの方が強い。
真昼の作った鬼呪装備の中の鬼はどれ程なのかとAは思う。
Aはグレンに向かって刀を振り下ろす。


『百鬼夜行....力を頂戴』


＿＿＿＿＿ﾊﾊﾊ いっその事殺しちゃいなよ


『殺さない程度にね....』


＿＿＿＿＿ｶﾞｷﾞｨｨﾝｯ


「?!ｯ」


Aの一振が効いたのかグレンが後ろへとよろめいた。
その隙を深夜は見逃すことなくグレンを一気に抑え込む。


「僕ごとやれ!!!!」


深夜がそう叫んだ瞬間、2人に鎖が飛び交う。
そして拘束された。


「終わりだグレン。鬼を屈服させてこい。で、僕たちのところに……人間に、戻れ!」


....グレンはそのまま意識を失った。
その様子を見届けたA達は一気に肩の力が抜ける。


『....仲間って大変ね』
「グレンは凄いよ。この狂った世の中で、仲間だ友情だを、始めちゃうんだもんな」


仲間、という存在をAは初めて実感した。
守りたい、そう思えるのだ。

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