愛は罪深い.2

sin.57 ページ15

“鬼呪装備“


真昼が作り上げたものよりも安全マージンたっぷりだが鬼を屈服できるほどになったのだ。


『ねえ、真昼。人間はここまで来れたよ。』


自分の刀＿＿＿百鬼夜行を見ながら呟いた。
そして深夜や美十、五士....それぞれ心に鬼を宿した。
もちろんAの最愛の暮人も。

そして今やるべき事はグレンの救出。
刀を抜き出すとAの中で鬼が笑う。


＿＿＿＿ﾌﾌやっと僕を使ってくれるんだね....Aの為ならいくらでも力をあげるよ



教室中に貼られた呪符の封印を解き、一斉に中へと入る。


「グレン!動くな!お前を救う!」
「！....」


深夜を先頭にグレンの元へと急ぐと、その姿を見てグレンは一瞬目を見開く。
鬼呪装備を見てなのか、自分を助けようとする仲間達を見てなのかは分からないが。


黙って見ているグレンだが、Aは見逃さなかった。



『深夜、鬼が起きちゃう』
「?!.ｸｿｯ」
「拘束するなら早くしろ！」


グレンの中の鬼が目覚める。
殺せ、そうただ繰り返す。


そして深夜達が動くよりも早くグレンは動いた。
もう目覚めてしまったようだ。
容赦なく切りかかるグレンにAは呪符を投げ素早く対応した。


『大人しくしなさいよ。間違って殺しちゃうかもしれないでしょ？』
「貴様ら人間に何ができる....欲に負ける人間などに」
『やってみないと分からないでしょ』


Aはそう言ってグレンから距離を取る。
そして深夜が後方で呪詛を口ずさむ。
呪符の発動まであと少し....。

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