アイドル界の花

オンマが寝た後に ページ13

「こんばんは、Aです」

手前に置いてあるマイクに小さな声へ囁く。

パジャマ姿でマイクに向かって囁く姿は異様だろう。

目の前にはサムギョプサル。

後ろで寝ているオンマを起こさない様に夜食を食べるモッパン番組。

70dB以上の騒音がしたらペナルティーが課せられる。

「白菜を切らなきゃですね」

テーブルの上には野菜が入ったビニール袋。

その中から白菜を取り出して切らなくてはならない。

慎重に袋の中へ手を入れ白菜をゆっくり取り出す....



＿＿ｶﾞｻｶﾞｻｶﾞｻｯ


＿＿ﾋﾞｰｰｯ


アウト。

「70dBも出てましたか？」

文句を言いながらペナルティーとして渡されたウサギの被り物を被る。

「普段ASMRを聴きながら眠るんですが、自分が音を出す立場になると難しいですね....」

「あ、出しちゃダメでしたねㅋㅋ」

小声で話すのも疲れて来た中、まな板の上へ野菜を出し包丁で切り出すと音が大きいためﾋﾞｰｰｯとさっきから何回も鳴っている。

ペナルティーも何個目か分からない。

今は大きなハート型眼鏡を掛けている。

「あーやっと完成しましたㅋㅋ」

お肉を焼くといい匂いが部屋へ充満した。

サンチュへお肉と苦労して切った野菜を乗せ大きな口で食べる。

「オンマも食べますか？」
『んー』

寝ているはずのオンマの口へサンチュに包まれたお肉を入れると寝ているはずなのにモグモグと食べるオンマ。

最後は恒例のカムバ曲を小声で口ずさみながら終了。

「オンマの口の周りが油だからけでㅋㅋ」

『ん”ー....コマウォ』

口元を拭き取ってあげたら口紅も一緒に取れてしまった。

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