弾ける赤い泡

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夜の街をバーボンの愛車であるRX-7が走り抜ける。
都心の抜け、暗い道を照らすのは街灯だけだった。


『ありがとう、バーボン....』
「何故嫌なのに....」
『さぁね』


ジンに抱かれた事をバーボンが追求しようとすると上手く逸らされた。
夜風を浴び切なそうに夜の月を見る彼女はとても儚げだ。


「そうでもしないといけない理由でもあるんですか？」
『例えば？』


Aが逆に質問すると「そうですねえ....」と悩んだ素振りをしてバーボンは言う。


「＿＿組織の情報を手に入れる為とか」
『！....何で私が組織の情報なんかを』
「例えばですよ」


真っ直ぐ前を向き言うバーボンの横顔をAはジト目で見た。
明らかにAをノックだと疑っているのにそう深くまで追求しないバーボン。
それはAも一緒だった。


『なんで組織のただの一員にそこまでしてくれるの....』
「理由なんてありませんよ」


そういったバーボンだが昔の初恋の相手にAが似ているなど口が裂けても言えなかった。
そして、黒の組織である彼女に好意を抱いてしまったことも。

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